横型ダイカスト法でのセンターゲート方案の金型構造にはどのようなものがありますか?

センターゲートは,製品の内部にある穴や窓を利用してゲートを設けて溶湯を射出充填する方法です.溶湯を製品の中心部か ら放射状に均一に射出できるために円形の部品の寸法精度を高くすることができます.

古くはポーラック式ダイカストマシンに採用されていました.ポーラック 式ダイカストマシンは図1に示すように横型締め・縦射出のダイカストマシンで,加圧室内に上部の射出プランジャーと下部のカウンターピストンがあり,鋳造 合金が加圧室に注湯されると上部の射出プランジャーがカウンターピストンと一緒に降下して鋳造合金がノズルより金型キャビティに射出されます.その後カウ ンターピストンが上昇して,ビスケットをノズルから切り離し,金型が開いて製品を取り出します.

現在では,図2に例を示すように,固定あるいは可動の主型 が2枚の計3枚からなる3枚型が使用されます1).型開き時には固定型と中間型が開き,その位置で一旦停止してカットオフシリンダーでゲートを切断してランナーとビスケットを落下させた後にさらに可動型が開くものです.

1) 一般社団法人日本ダイカスト協会編:ダイカストの標準DCS D1<金型編>(2008)

図1 ポーラックダイカストマシン

  図2 3枚型の例1)