生型造型において,造型プロセスごとに求められる砂性状にはどの様な違いがありますか?

 ジョルト・スクィーズ造型と流気加圧造型(静圧造型)では,生型砂をルーバーホッパで計量して金枠内に自由落下させるため,幅広い性状の生型砂での造型が可能です.部品消耗箇所の多いジョルト・スクィーズ造型機では,抜型性の維持をするため,砂と模型の間の抜型抵抗を減らす意味合いで若干CB(コンパクタビリティー)を高く設定されている鋳造工場もあります.流気加圧造型では,流気加圧(静圧)を効果的に作用させるために,比較的高CBでの造型が行われています.
 一方,ブロー造型では,サンドタンク内で高圧力の圧縮空気による生型砂の圧縮を抑制するために,比較的低CBで造型を行っており,生型砂の活性粘土分も低めにコントロールしている場合が多くなっています.近年のエアレーション造型機では,低圧力の圧縮空気により金枠内に吹き込むため,サンドタンク内で生型砂が圧縮されることなく,幅広い性状の生型砂での造型が可能になっています.

(『鋳造工学』94巻11号掲載)