自硬性鋳型において,新砂補給率が3%以下とあるのですが,3%を超えると欠陥にどのように影響するのか教えていただきたいと,仮に補給がゼロの場合,どのような鋳造欠陥につながるのか教えていただきたいです.

 自硬性鋳型において新砂を添加する理由は, まず集塵機等で集塵されて産廃として処分された砂の不足分を補填するという目的があります.また,新砂添加には,鋳物砂のイグロス,粒度分布, 通気度, 砂強度などの安定化を図る目的もあります.

 新砂は, 回収砂より樹脂を多く必要とするため,新砂の添加量が多くなると鋳型強度が下る問題が出てきます.鋳型強度の低下は, ひけ欠陥の発生を誘発することになります.また表面安定性の低下等の現象も起り,砂カミ等が起りやすくなります.添加する新砂の種類も重要になります.昔は, ベーニング欠陥が多い時は純度の低い新砂を添加し,イグロスを下げたい時は崩壊性の高い砂などを添加していました.

 一方新砂添加量がゼロの場合は,イグロスが上昇して焼付きは減るのですが, ガス欠陥が発生しやすくなります.フラン鋳型の場合は,イグロスが増すと同時に回収砂中のS量も増すことになるため,鋳型からの浸硫により鋳肌付近の球状化不良部が深くなる問題が発生します.また砂は,粉砕されて細かくなるため通気度が低下し,より一層ガス欠陥が発生しやすくなります.イグロスは3~5wt%もしくはそれ以上の鋳物工場もありますが,原理原則から考えると1wt%以下が良いと思われます.

 ちなみに鋳物工場の回収砂は,一度バランスを崩すと元の状態に戻すのに数ヶ月から半年ひどい場合には1年以上かかることから,添加する砂の種類をミスらないことや管理を確実に行うことが重要になります.また,管理幅内に戻すために多くの新砂を添加すると迷路に入ってしまいますので,慌てず落ち着いて良い新砂を2~3wt%添加していくことをおすすめします.

(『鋳造工学』93巻2号掲載)