近年,粒子法を鋳造分野に適用する動きがあります.粒子法のメリットは何ですか.

 まず,従来の鋳造CAEにはオイラー法が採用されています.オイラー法では計算に格子を使用しています.その格子を計算対象として,格子内部に溶湯があるかないかを判定することで溶湯の湯流れシミュレーションを行ってきました.しかし,粒子法ではラグランジュ法を採用しているため,格子を使用しません.代わりに計算対象の粒子自身が空間を移動します.そのため,流体の自由表面や界面の取り扱いが容易となっています.また,従来のオイラー法では溶湯の分離や結合等の大変形を伴う計算が困難でしたが,ラグランジュ法では可能です.

(『鋳造工学』94巻11号掲載)