鋳鉄にめっき処理は可能なのでしょうか? 実際に適用されている例(部材とめっきの種 類)があれば教えて下さい.
鋳鉄にめっき処理は可能です.ただし,鋳鉄の鋳肌は一般的に凹凸が大きく,鋳物砂などの異物が多く,また,加工面においても黒鉛が晶出しており,これらがめっき後の仕上がりに影響を与えるため,適切な前処理が必要です.
実際の適用例としては,以下のようなものがあります:
1.溶融亜鉛めっき:可鍛鋳鉄などに対して施し,配管機器部品(接手)などに使用される.
2.ニッケルめっき:耐久性向上を目的として,機械部品に使用される.
3.ホーロー処理:めっきとは少し異なりますが,表面処理としてホーロー処理があり,キッチン用品やバスタブなどに用いられる.
これらの例では,めっきなどの表面処理により,耐食性,耐久性の向上や見た目が美しい仕上がりを実現しています.
(『鋳造工学』97巻10号掲載)