鋳鉄を鋳肌のまま使用する場合と表面仕上げを施した場合では,強度にどれほどの差がありますか?

鋳鉄の鋳肌には砂との焼付きによる黒皮酸化層や表面での欠陥(巣や介在物,あるいは異常組織)などが存在します.さらに鋳肌の表面粗さは不均一であり,その凹凸が著しい場合には応力集中による影響を考える必要もあります.引張強さはそ […]

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残留Mgが低いFCD溶湯を丸棒試験片(例えば、直径φ15,30mm)に鋳込んだとき、球状化率が高い部分と低い部分が図1のように何層ものリング状に分布するのは何故でしょうか?

 図1    丸棒試験片にリング状に破面の色が何層も見える現象は,その丸棒試験片を得る条件が関係し,例えば注湯温度や解枠後の冷却条件(基地組織への影響)がばらつくことも一因です.FCDのパーライトとフェライトが […]

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非鉄
Kモールド試験法とは何ですか?

溶湯の品質は 化学成分,ガス,介在物,温度で評価されます.Kモールド法は,溶湯中に含まれる介在物を調べる目的で,破断面観察法として一般に使用される方法です.図1に示すようなアルミニウム製の鋳型に溶湯を鋳込み,凝固させた後 […]

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回転曲げ疲労試験により得たS-N曲線において,FCD700材で鋳放し材よりも熱処理材の方が傾きが立っているのは何故でしょうか

 FCD700材を熱処理すると引張強さ,硬さが向上する様に静的機械的性質が上昇します.しかし,伸びや絞りといった延性特性は低下します.これはFCD700材の鋳放し材がフェライト組織とパーライト組織の二相組織であるのに対し […]

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非鉄
軽量化のためにマグネシウムダイカストを使用したいと思っています。エンジンのそばの部品のカバーですが、どのようなことに注意して設計すれば良いでしょうか?

 マグネシウム合金は実用金属の中で最も軽量な金属であり,鉄鋼材料やアルミニウム合金からの置き換えで,軽量化を図ることができます.しかし,機械的性質などの材料特性が異なるため,注意する必要があります.カバー類であれば,一般 […]

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共通
金属材料の疲労限度を知りたいのですが,簡単に調べる方法はありますか?

 一般に疲労限度は,疲労亀裂の発生に起因すると言われており,疲労亀裂の発生は材料のすべりに対する抵抗値(降伏点)に依存することが知られております.疲労試験は多くの試験片本数と試験時間を要するため,疲労限度の簡便な推定方法 […]

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非鉄
ADC12合金のダイカスト品の湯口を折ると製品まで欠けこんで不良が出来てしまいます.破面が平らになっている部分が見受けられます.原因と対策は?

 欠け込み不良の原因として,破面が平らになっている部位があるという事から,初期凝固片(破断チル層)や溶湯酸化膜等の噛み込みが,主因として推察されます.特に,初期凝固片(破断チル)は,スリーブ内に溶湯を給湯したときに,スリ […]

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オーステンパ球状黒鉛鋳鉄は強度に優れているそうですが,大型の機械部品にあまり用いられていないのはなぜですか?

 「オーステンパ球状黒鉛鋳鉄」とは,特殊な熱処理で基地組織をベイナイトにすることにより,高靱性を持たせた高級鋳鉄です.一般的に,ADI(Austempered Ductile Iron)と呼んでいます.このADIは,一般 […]

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球状黒鉛鋳鉄は構造材として何℃まで使用可能でしょうか?球状黒鉛鋳鉄の温度変化に伴う強度について教えて下さい.

 球状黒鉛鋳鉄の温度変化に伴う強度の変化ですが,室温以下の低温では脆化現象を引き起こす事により,引張強さ及び耐力は増加し,伸びは低下します.一方,高温側では約200℃付近までは引張強さは概ね室温と同定度の強度を示しますが […]

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共通
厚肉鋳造品では内部と外部で冷却速度が異なりますが,機械的性質にはどのような影響を及ぼしますか?

 機械的性質を論ずる前に肉厚部では押し湯からの溶湯補給が不足して巣ができることが第一義的に心配です.合金によりますが,内部の凝固が表層よりも遅延するため,表層部の凝固シェルが内部へ引っ張られることがあります.表層部の凝固 […]

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