パーライト組織はフェライトとセメンタイトが層状となっていますが,組織中のフェライトとセメンタイトは初析のフェライト,セメンタイトと同じでしょうか?

 ある炭素鋼がA3またはAcm変態点以上の温度かつ,組織は全てγ相(オーステナイト相)であり,ここから徐冷を行うとします.冷却が進み,亜共析鋼(0.77wtC%未満)の場合,A3変態点に達すると,フェライト相が過共析鋼( […]

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ロストワックス法では,鋳型を作る際に熱でワックスを溶かす工程がありますが,加熱するだけでワックスが残ることなく完全に除去できるのですか.またそのための工夫があれば教えてください.

 ロストワックス法では,残存ワックスが介在物欠陥などの原因となるため,ワックスの除去は必須技術となります.ワックス除去方法(以降脱ろう)には3種類あります. ①900度から1100度の炉内に鋳型を投入しワックスを溶かし出 […]

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非鉄
黄銅を溶成する時に白煙(酸化亜鉛)が発生します.特に,亜鉛を加える場合に多く発生します.この白煙を減らす方法を教えてください.

 亜鉛含有量の多い黄銅や高力黄銅の溶解おいて,通常溶落直後に亜鉛の添加(亜鉛損耗量:1~2%と言われている)と出湯前の炉前分析結果による成分調整の為に亜鉛の添加が行われてます.もし,溶落直後に添加する亜鉛量(溶解損耗分) […]

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球状黒鉛鋳鉄の製造において,球状化剤や接種剤の効果を活かすには,どのタイミングでどのような方法で加えるといいのですか?

 健全な球状黒鉛鋳鉄品を製造するのに必須な溶湯処理技術の基本に関する良い質問ですが,製造条件により正解がいくつもあり回答者泣かせな質問でもあります.  さて,結論から言えば,①処理剤の効果を活かすには,「処理剤に最適な処 […]

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自硬性鋳型において,新砂補給率が3%以下とあるのですが,3%を超えると欠陥にどのように影響するのか教えていただきたいと,仮に補給がゼロの場合,どのような鋳造欠陥につながるのか教えていただきたいです.

 自硬性鋳型において新砂を添加する理由は, まず集塵機等で集塵されて産廃として処分された砂の不足分を補填するという目的があります.また,新砂添加には,鋳物砂のイグロス,粒度分布, 通気度, 砂強度などの安定化を図る目的も […]

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FCDの黒鉛球状化率算出について質問です.JIS G5502では100倍の顕微鏡画像5視野から球状化率を算出することになっていますが,視野の広さについて記載がありません.正しく算出するためには少なくともどれくらいの広さの視野について観察するべきでしょうか?

 画像解析装置が普及し,黒鉛球状化率が「金属顕微鏡-CCD(CMOS)カメラ-画像解析ソフト」(画像解析装置)により算出される現状において,今回の質問はシンプルですが重要です.  現行のJIS G5502での黒鉛球状化率 […]

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フェライト基地を腐食すると結晶粒界がはっきり見えますが,パーライト基地では粒界が見えづらいのはなぜですか? パーライトは、隣接するセルが融合しているのですか?

 片状黒鉛鋳鉄の凝固過程では,共晶凝固が完了するとオーステナイトと黒鉛の混在組織となり,やがて共析変態温度に達するとオーステナイトはパーライトに変態し,常温では片状黒鉛とパーライト基地で構成された組織になります.初晶オー […]

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電気炉には高周波,中周波,低周波誘導炉が存在しますが,それぞれの特徴やメリットデメリットは何でしょうか?

 高周波・中周波・低周波の違いを考える時に最も基本となるのは,溶湯撹拌力(F)が周波数(f)に反比例するということです.したがって,低周波誘導炉(50/60Hz)は溶湯撹拌力が大きいという特徴を有しています.  低周波炉 […]

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引け巣の出ない鋳物合金の開発は可能でしょうか?

なぜ,溶湯は凝固すると引けるのでしょうか?溶湯(液相)から固体(固相)に凝固(変態)する際に,実用合金のほとんどは密度が大きくなりますから,質量が一定ならば収縮しなければなりません.よって,「引け巣の出ない鋳造合金」とは […]

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鋳鉄の溶湯は,金属なのに固まると非金属の黒鉛が出てきます.どうしてなのか教えてください.

鋳鉄は,鉄(Fe)と炭素(C)の合金であることはご了解のことと思います.このような合金は,溶媒(鋳鉄の場合は鉄)中に溶質(この場合炭素)が溶け込んでいると,溶媒の凝固温度が低下することがあります.さらに鉄の原子の結合(金 […]

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