弊社ではアルミダイカストをコールドチャンバーで行っています.品質向上で排気を安定させたいのですが,250-400ショットも鋳造するとチルベントの山形状に粘土質の堆積物や細かなアルミ屑が堆積してしまい,排気を阻害する品質問題が慢性化しています.定期ショット数でベントブロックを清掃する苦肉の策で現在は生産を行っていますが,堆積しない方法があれば教えてください.スプレープログラムで離型剤とエアーを塗布する条件にはしています.何かいい方法があれば教えてください.
チルベントは,キャビティ内のガスを大量に排気可能なガス抜きで溶湯の吹き出しを防ぐため,冷却効果が大きい波板形状を有するブロックのことで,マッシブベントやマスベントともいいます. チルベントは,クリアランスが0.4~0.6 […]
コールドボックスで使われるアミンガスは人体に有害と聞いているのですが,工場で感じる臭気レベルでは人体への影響はないのでしょうか.
コールドボックスは,1966年米国アシュランド・ケミカル社によって有機バインダによるガス硬化鋳型造型法を発明し,1968年に技術導入,1969年に実施許諾によって普及が開始され,1989年に基本特許が権利満了となってい […]
「魔法のフライパン」や「南部鉄器」などの良いといわれる調理器具の鉄の組織とはどういうものでしょうか.また,急須やフライパンなどはなぜ表面が黒いものが多いのでしょうか?
一般的な調理器具として使われる「南部鉄器」の組織として,白鋳鉄は避けなければなりません.その理由として,繰り返しの熱により,器具が割れたりするためにチル化した組織にならないように注意します.したがって,一般的な組織は片 […]
焼入れ時の質量効果を改善するにはどうすればいいですか?
詳細は製品形状や材質によって異なると思いますが,ここではねずみ鋳鉄/球場黒鉛鋳鉄での一般的な知見について回答します. 熱処理における影響因子は大きく2つあります.一つは材料の性質で,いわゆる「焼きの入り易さ」.もう一 […]
熱間圧延用ロール材のように,巨大で硬い材料は,修理や廃棄処理がどのようにして行われているのですか?
熱間圧延用ロールや鉱物粉砕用ミル部材などに用いられる材料は,高合金系の白鋳鉄が用いられています.一般的な白鋳鉄はレデブライトが分散した組織となりますが,厳しい摩耗環境下では,さらに高硬度な炭化物を基地中に分散させて,耐 […]
アルミ鋳造は高圧射出造形(ハイプレッシャーダイカスト)が主流となってきていますが,重力鋳造や低圧鋳造も一定量残っています.どのように工法の棲み分けをしているのでしょうか?
アルミニウム合金の鋳造工法にはいろいろな種類があり,それぞれ特徴があります.溶湯にかける圧力によって分類すると,ハイプレッシャーダイカストやスクイズダイカストは高圧力で鋳造する方法で,重力鋳造法や低圧鋳造法は低圧力で鋳 […]
フラン自硬性鋳型の欠点として,元砂の種類により硬化速度,強度に影響を受けやすいことが知られていますが,なぜですか? また,一度再生砂になると,元砂の影響は少なくなることが知られているようですが,なぜですか?
フラン自硬性鋳型は,1940年代に米国クエーカーオーツ社によって,フランバインダが酸触媒によって常温で硬化する性質が見出され,更に1950年代に米国で尿素変性フランとすることで砂同士の接着力が向上することが見出されまし […]
パーライト組織はフェライトとセメンタイトが層状となっていますが,組織中のフェライトとセメンタイトは初析のフェライト,セメンタイトと同じでしょうか?
ある炭素鋼がA3またはAcm変態点以上の温度かつ,組織は全てγ相(オーステナイト相)であり,ここから徐冷を行うとします.冷却が進み,亜共析鋼(0.77wtC%未満)の場合,A3変態点に達すると,フェライト相が過共析鋼( […]
ロストワックス法では,鋳型を作る際に熱でワックスを溶かす工程がありますが,加熱するだけでワックスが残ることなく完全に除去できるのですか.またそのための工夫があれば教えてください.
ロストワックス法では,残存ワックスが介在物欠陥などの原因となるため,ワックスの除去は必須技術となります.ワックス除去方法(以降脱ろう)には3種類あります. ①900度から1100度の炉内に鋳型を投入しワックスを溶かし出 […]
黄銅を溶成する時に白煙(酸化亜鉛)が発生します.特に,亜鉛を加える場合に多く発生します.この白煙を減らす方法を教えてください.
亜鉛含有量の多い黄銅や高力黄銅の溶解おいて,通常溶落直後に亜鉛の添加(亜鉛損耗量:1~2%と言われている)と出湯前の炉前分析結果による成分調整の為に亜鉛の添加が行われてます.もし,溶落直後に添加する亜鉛量(溶解損耗分) […]