鋳造用金型の内部冷却を詳しく解説してくれる講義などはあるのでしょうか? 錆や詰まりに困っています.
鋳造工学会,鋳造協会,ダイカスト協会,機械学会などで種々の講習が行われています.それぞれのホームページをご覧いただければ参考になる講習会が見つかるでしょう. 伝熱に関する参考書*1や金型の冷却設計について記載されている書籍*2などがありますので,これらの書籍を参考にされるのも良いかと思います.
参考のために冷却通路に関する熱の流れについて概要を説明します.図に示すように金型と冷却通路の界面にカルシアやシリカ,鉄錆などで構成される水垢が界面に付着成長すると熱伝導率の小さい断熱層(剤)として働き,冷却界面での熱流を大きく阻害し,冷却効果が減少します.特に鋳物の過熱部近傍の金型温度の高い部位の冷却通路には水垢が多くたまりやすいです.水垢は鋳造を重ねるごとに徐々に冷却通路表面に付着・堆積していくことになります.特にこれらが多く含まれている硬水ではその堆積が顕著です.そこでこの対策として,定期的に冷却穴のドリル通し,薬剤を用いた堆積物除去などが行うのが一般的です.使用している冷却水が硬水(特に地下水を利用しているとき)の場合,水質の改善は重要で,ソフナーや純水を用いて冷却を行います.純水の製法にもよりますが,錆の原因となる溶存酸素があり,この酸素を除去することも必要で脱酸素剤を添加します.また,水質の悪い海外ではこの問題を避けるため,冷却効率は半分にはなりますが,油を用いた冷却を行っていることが多いです.
*1 例えば,甲藤好郎:伝熱概論(養賢堂版)
*2 例えば,西直美:ダイカストの設計を考える(ダイカスト新聞社)
(『鋳造工学』98巻1号掲載)

