生砂のCB値は水分値に比例するとのことですが,水分値がほとんど変わらなくても混練直後に対し造型直前のCB値は大きく低下します.どうしてでしょうか.
生型砂中の水分は,砂表面に単独で存在する「遊離水分」と,ベントナイトの層間に含まれる「吸着水」の2つに大別できます.ベントナイトが水分を吸着するには時間を要するため,混練直後の短い時間では水分の大半が遊離水分として残ります.この遊離水分は砂の充填性を悪化させる(棚吊り状態)ため,試験筒に砂がふんわりとしか入りません.隙間が多い分,圧縮した際の体積減少率が大きくなり,結果として混練直後はCB値が高く(大きく)出ます.一方,造型直前の砂は,水分添加から時間が経過したことでベントナイトが十分に水分を吸着しています.遊離水分が減って流動性が高まるため,試験筒内へ砂が密に充填されます.最初から隙間なく詰まっているため圧縮してもあまり縮まず,CB値は大きく低下します.このCB値の変化(低下)を緩和する対策としては,以下が有効です.
(1)砂回収時に積極的に注水し回収砂水分値を高める.(可能であれば混練砂の70%以上),混練前,ストレージタンク内で十分に熟成させる.
(2)混練機での注水を1回で終え,注水後の混練時間を可能な限り長く取る.
(3)吸水の早いα澱粉などを適量添加し,遊離水分を素早く吸着させる.
などの対策があります.混練後のCB値の大きな変化は,造型性の観点からも望ましくはありません.自社の砂/ラインにあった対策を行うことが肝要かと思います.
(『鋳造工学』98巻9号掲載)

