現在FCD450鋳物の硬度について悩んでおります.薄肉(3mm)箇所かつ砂型・中子による窓枠にあたる部分なので急冷によるチル化が要因ではないかと考えています.チル化を防ぐ方法と,チル化したものを柔らかくする方法についてご教示いただきたいです.
チル化を防ぐ方法は,溶湯中で黒鉛を出しやすくするケイ素(Si)量を増やすことや,黒鉛を出しにくくするマンガン(Mn)やクロム(Cr)等の元素量を少なくする方法が考えられますが,最も有効な方法は接種です.鋳込み直前の溶湯にフェロシリコン(Fe-Si)やカルシウムシリコン(Ca-Si)などの合金(接種剤)を0.3%程度添加することでチル化を抑制することができます.接種剤はアルカリ土類元素(Ca,Sr,Ba)や希土類元素(Ce,La等)を含むものがより効果が大きくなります.接種剤を溶湯に添加する場合は,できるだけ鋳型に近いところで行う方が接種効果は大きく,取鍋接種より注湯流接種や鋳型内接種が有効です.薄肉製品の先端部や角部等で,どうしてもチルが防止できない場合は,仕上工数が増えますが,その部分にオーバーフロー(吐かせ)を付けて,先端部や角部の冷えた湯を製品外に出して,チルを防止する方法もあります.チル化した鋳物を柔らかくする方法は黒鉛化焼きなまし(チル消し焼きなまし)という熱処理があります.チル化した鋳物を850~900℃程度の温度で炉中加熱します.加熱時間は肉厚やチル化の度合いによって異なりますが,おおよそ1~5時間程度です.
(『鋳造工学』98巻6号掲載)

