中子に酸化鉄を加えると『ベーニング・焼付き・ピンホール』不良の抑制効果がありますが,酸化鉄を加えず,これらの不良を抑制する方法はありますか?

生型や中子用に用いるFe2O3(ベンガラ).鋳鋼用有機鋳型用に用いるFe3O4(砂鉄).有機鋳型や塗型用に用いるFeO(球状酸化鉄).それぞれの酸化鉄をベーニング・焼付き・ピンホールなどの不良対策用として鋳型毎に使い分けています.酸化鉄を使用せずに,不良を抑制する方法は,不良の種類ごとに異なります.

(1)ベーニング不良 : 鋳型が膨張して脈状に割れ,そこに溶湯が入り込む不良です.低膨張硅砂である再生砂や低純度けい砂,ジルコンサンドやクロマイトサンドなどの低膨張特殊砂,人工砂,スラグサンドなどを使用して鋳型を低膨張として割れ難くする.粘結剤を増して鋳型の高温強度を上げて割れ難くする.などで対策できます.

(2)焼付き不良 : 酸化鉄は熱伝達性を改善し,溶湯の冷却を速めることで焼付き不良を防止します.同様な効果は,ジルコンサンドやクロマイトサンドにあります.また,比重の重い人工砂を使用しますと,溶湯の冷却を速めて焼付き欠陥を防止できます.

(3)ピンホール不良 : 酸化鉄の触媒作用により樹脂を分解することで,原子となって溶湯に侵入する水素系や窒素系ピンホール不良を防止します.酸化鉄を使用しない対策としましては,樹脂添加量を下げる,窒素を含まない樹脂を用いる,塗型により鋳型ガスを遮断する,鋳型の通気度を上げてガスを逃がす,熱伝達性の良い鋳型として溶湯冷却を速めて鋳型ガスの侵入を防止する,などの対策があります.

(『鋳造工学』98巻7号掲載)