鋳鉄のインモールド法とコンバータ法を比較すると製品の特性に差がでますか?

【コンバーター法】 は,コンバータの底部の一角に孔の開けられた黒鉛製の仕切り板で囲まれた反応室を設置し,コンバータを水平状に倒した状態で,反応室にMgを装入して蓋を します. その後,反応室を下にして垂直に起こすことで,溶湯とMgが接触し反応するものです.反応状況のコントロールは仕切り板の孔のサイズで調整されます.

一方,【インモールド法】 は,鋳型内に球状化剤を入れる反応室を設け,脱硫した溶湯を注入すると反応し,その後鋳型の製品部分に入るものです. 鋳型内での反応であるため,これに使用される合金は4~6%Mg合金が使用されます.

両者の球状化処理方法の違いによる製品の特性の差は,インモールド法は,コンバータ法に比べ,Mg処理と同時に接種されるので,フェーデイングが起こり ません.したがって,薄肉鋳物でもチルが出にくく,黒鉛粒数も多くなり,安定した鋳物が得られます

同時に引け巣も発生しにくい.しかし,鋳型内に反応室 を設けるだけに,コスト上不利である.また,ドロス巻き込み欠陥発生リスクが高くなり,フィルターの活用が欠かせません.一方,コンバータ法は,高S溶湯 処理も可能で,歩留りもよく,コスト面で有利です

品質面において,清浄な溶湯が得られ易く,インモールド法とは違った特性を示します.