アルミニウム合金中の介在物の種類や成因を特定するのには,どのような分析法を用いるのが有効ですか?

アルミニウム合金中の介在物の分析法についてはPODFAという手法があります.溶融状態の合金をフィルタで濾すと,フィルタ上に介在物と晶出物が残りま す.

その介在物(必用に応じて化合物等の晶出物)をEPMA等で分析すると,生成原因について推定することが出来ます.炉や樋の耐火物か,溶湯表面で生成 したものか,もともとインゴットに入っていたものか,といったことを推定します.ダイカストの場合はチップ潤滑剤由来のもの,射出過程で溶湯が大気に触れ る間に生成した酸化物や離型剤由来のものも見つかる場合があるでしょう.

もっと容易に分析する方法としてKモールドの破面にあらわれた介在物を分析する手もあります.引張試験の破面にあらわれた介在物を分析することもありま す.ヨウ素とメチルアルコールの溶液で酸化物介在物を抽出する方法もあるようですが詳しくは存じません.どの程度の大きさの介在物を気にするかは,その鋳 物の使われ方,設計応力,疲労環境かどうか,などによるでしょう.