外びけと内びけの関係を教えてください.

凝固は外から始まります.鋳物は鋳型内壁との接触部から個体になり内部に液体が残ります.

内引け巣は,内部に残る溶液の液体収縮と凝固収縮によって引き起こされると考えて良く,鋳鉄は,溶湯に含有されている炭素が晶出(黒鉛)する分ので膨張が あります.総収縮量>膨張量の時に引け巣が発生します.実用的に鋳造加工されている金属・合金は,収縮だけで膨張がなく自然に冷却凝固させると内引け巣が 発生します.

一般に物質の液体でも個体でも密度(単位,g/cc)は,温度が高いほど低くなります.空気や水が温かいと上昇し,冷たいと下降するのは,温度に よる密度差です.高気圧も低気圧も温度による密度差です.高気圧は冷たくて重く,低気圧は温かく軽いので上昇気流となります.同じ重さでも温度が高いほど 膨張し体積が増えます.即ち密度が下がり軽くなるのです.

次に外引け巣について,外側に作られる殻が強固なものなら内引け巣が,殻の一部に弱い所があれば,内部残液の収縮に引きずられて凹みができます.これが外引けの原因です.発生する場所は上方面が一般的で,常に湯圧が掛かっている下型面には出ません.