日本,中国,インドなどの生砂の違いは何でしょうか?
生砂に求められる条件は,適切な化学組成及び物理的性質を有し,かつ砂粒は適度な粒度分布を有し,粒形は丸形に近いものです.
日本で使用されている生砂は,国産が半分弱でその他はオーストラリアやベトナムからの輸入です.国産砂のSiO2の含有量は産地により異なっています.国産砂は粒形がやや角張っている傾向にあるのに対して輸入砂は丸味を帯びているものが多いのが特徴です.
中国で得られる国産砂は,産地によって特性が大きく異なります.内モンゴル産は形状が丸味を帯びているがSiO2の含有量が低いのに対して,福建省産は角張っている傾向にあるがSiO2の含有量は高いです.両砂とも粗い砂が多く含まれていることから焼付きが発生し易いです.
インドで得られる国産砂は,角張っていて粒度分布がシャープになる傾向にありますが,SiO2の含有量は非常に高いです.なお,粘土分の少ない細かい砂が得難いといわれています.
韓国では,国産が少なくベトナムやオーストラリア等から輸入した鋳物砂を使用しており,大きな問題がないといわれています.
なお,中国やインドでも造型機の高度化に伴い,国産砂では問題発生が多いことから,海外からの輸入が増加しています.
(『鋳造工学』91巻12号掲載)