アルミニウム溶湯に不活性ガスを流すと溶解している水素ガスが補足されるそうですが,そのメカニズムを教えて下さい

不活性ガスをアルミ溶湯中に吹き込むと気泡になって上昇するが,その気泡に水素が拡散し,水素を含んだ気泡が溶湯表面に達し,水素ガスが溶湯中から除去されます.また,水分量の多いガスを使用すると,気泡中に最初から水素が存在するため,溶湯中の水素を吸収できる量が少なくなり,水素ガスの除去効果が小さくなります.また,気泡が微細なほど脱ガスが短時間でできるため,回転脱ガス装置を用いて不活性ガスを吹き込みが広く行われています.気泡が微細な場合,表面積が大きくなる効果と浮上速度が遅くなり気泡の滞留時間が長くなる効果があり,脱ガス効果が向上します.

(『鋳造工学』95巻4号掲載)