アルミ合金において各種添加元素が機械的性質に悪影響を与えない適切な添加量は,各元素どれ位なのでしょうか?
アルミ合金における添加元素の適切量は,合金系(Al-Si,Al-Mg,Al-Cu 等),製造プロセス(鋳造・展伸),熱処理条件によって異なるため,一律の数値を示すことは困難です.しかし一般論として,主要元素は規格範囲内で管理し,微量元素は目的と副作用のバランスを考慮する必要があります.例えばSiは鋳造性向上のため5~12%程度で用いられますが,過剰になると延性低下を招きます.Mgは0.3~0.8%程度で強度向上に有効ですが,多すぎると熱割れや耐食性低下の原因となります.Cuは強度向上に寄与する一方,0.5~4%の範囲でも耐食性を著しく低下させるため、用途選定が重要です.Feは不純物として0.2~0.7%程度含まれることが多く,過剰では脆性金属間化合物を形成するため,Mn添加(0.3~0.8%)による形態制御が行われます.TiやBは結晶粒微細化目的で0.01~0.2%程度,SrやNaは改良処理としてppmオーダーで管理されます.いずれも「入れすぎない」ことが重要で,規格・実績・評価結果に基づく最適化が不可欠となります.
(『鋳造工学』98巻7号掲載)

