鋳物砂の再生に寿命はありますか? 不純物(生型であればオーリティック,自硬性であれば樹脂)が再生されていれば新砂と同等と考えてよいですか?

「再生の寿命」の質問:鋳物砂(天然けい砂や人工砂など)に粘結剤などを加えて,造型可能な生型砂や自硬性鋳型砂とし,これらの鋳造後の回収砂を再生します.再生工程では,回収砂に対しての歩留りがあり,これが寿命に相当すると言えます.歩留りに対応した減少量に対して,鋳物砂を加えて繰り返し使用します.一般に,歩留りは,生型砂の再生(流動焙焼と機械再生)では70%~85%です.自硬性鋳型砂では機械再生のみで80%~98%です.どの様な純度の天然けい砂を使用しているか,破砕されにくい人工砂を使用しているかなどにより歩留りが変わります.また,自硬性鋳型砂では,アルカリフェノール鋳型砂は歩留りが悪くなります.

「不純物除去の再生」の質問:強熱減量,粒度構成,微粉量,粒形,耐火度,強度阻害物質量などが,再生の管理項目です.生型のオーリティックは除去が望ましく,自硬性では管理値の強熱減量までに樹脂を除去することが望ましく.ただし,アルカリフェノール鋳型は,回収砂中のアルカリ金属を硬化が阻害されないレベルとするために,フラン鋳型などと異なり,強熱減量を0.8%以下に強力に再生する必要があります.正しく再生された再生砂は,低膨張で鋳型強度が発現しやすいなど,新砂相当あるいはそれ以上の品質の鋳物砂となります.

(『鋳造工学』91巻2号掲載)