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最近,展伸材などでは摩擦攪拌接合法(FSW)が用いられています.この方法によるアルミニウム合金ダイカストや鋳物への接合の適用例はありますか.また,適用する場合に特に問題はありますか.

 FSW(Friction Stir Welding)は,接合する材料同士を密着させた状態で固定し,接合ツールを回転させながら接合する材料表面に押し付けることにより,摩擦熱で軟化した材料の塑性流動により固相接合させる技術 […]

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オーステナイトではFe原子間距離が広くなってC原子が移動することができますが,セルとセルとの結晶粒界を越えて移動することはできますか?

 「セル境界でも結晶粒界でもC原子が移動できるか?」との事であれば,Yesです.  凝固後の温度低下で共析変態温度に達するまでにAGr線(Fe-C二元平衡複状態図のFe-G系)に沿ってγ中のC固溶度が低下し共析変態でγ⇒ […]

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鉄系材料では,フェライト,オーステナイト,ベイナイト,マルテンサイトなどの組織の違いによって,どれくらいビッカース硬さやロックウェル硬さに違いがあるのでしょうか.

鋳鉄の基地組織は,フェライト,オーステナイト,パーライト,ベイナイト,マルテンサイトの順に硬くなります.材料の硬さは,それぞれの組織構成で異なりますが,フェライトのブリネル硬さは90~150HB程度,パーライトのブリネル […]

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非鉄
弊社ではアルミダイカストをコールドチャンバーで行っています.品質向上で排気を安定させたいのですが,250-400ショットも鋳造するとチルベントの山形状に粘土質の堆積物や細かなアルミ屑が堆積してしまい,排気を阻害する品質問題が慢性化しています.定期ショット数でベントブロックを清掃する苦肉の策で現在は生産を行っていますが,堆積しない方法があれば教えてください.スプレープログラムで離型剤とエアーを塗布する条件にはしています.何かいい方法があれば教えてください.

チルベントは,キャビティ内のガスを大量に排気可能なガス抜きで溶湯の吹き出しを防ぐため,冷却効果が大きい波板形状を有するブロックのことで,マッシブベントやマスベントともいいます. チルベントは,クリアランスが0.4~0.6 […]

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コールドボックスで使われるアミンガスは人体に有害と聞いているのですが,工場で感じる臭気レベルでは人体への影響はないのでしょうか.

 コールドボックスは,1966年米国アシュランド・ケミカル社によって有機バインダによるガス硬化鋳型造型法を発明し,1968年に技術導入,1969年に実施許諾によって普及が開始され,1989年に基本特許が権利満了となってい […]

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「魔法のフライパン」や「南部鉄器」などの良いといわれる調理器具の鉄の組織とはどういうものでしょうか.また,急須やフライパンなどはなぜ表面が黒いものが多いのでしょうか?

 一般的な調理器具として使われる「南部鉄器」の組織として,白鋳鉄は避けなければなりません.その理由として,繰り返しの熱により,器具が割れたりするためにチル化した組織にならないように注意します.したがって,一般的な組織は片 […]

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焼入れ時の質量効果を改善するにはどうすればいいですか?

 詳細は製品形状や材質によって異なると思いますが,ここではねずみ鋳鉄/球場黒鉛鋳鉄での一般的な知見について回答します.  熱処理における影響因子は大きく2つあります.一つは材料の性質で,いわゆる「焼きの入り易さ」.もう一 […]

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熱間圧延用ロール材のように,巨大で硬い材料は,修理や廃棄処理がどのようにして行われているのですか?

 熱間圧延用ロールや鉱物粉砕用ミル部材などに用いられる材料は,高合金系の白鋳鉄が用いられています.一般的な白鋳鉄はレデブライトが分散した組織となりますが,厳しい摩耗環境下では,さらに高硬度な炭化物を基地中に分散させて,耐 […]

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非鉄
アルミ鋳造は高圧射出造形(ハイプレッシャーダイカスト)が主流となってきていますが,重力鋳造や低圧鋳造も一定量残っています.どのように工法の棲み分けをしているのでしょうか?

 アルミニウム合金の鋳造工法にはいろいろな種類があり,それぞれ特徴があります.溶湯にかける圧力によって分類すると,ハイプレッシャーダイカストやスクイズダイカストは高圧力で鋳造する方法で,重力鋳造法や低圧鋳造法は低圧力で鋳 […]

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フラン自硬性鋳型の欠点として,元砂の種類により硬化速度,強度に影響を受けやすいことが知られていますが,なぜですか? また,一度再生砂になると,元砂の影響は少なくなることが知られているようですが,なぜですか?

 フラン自硬性鋳型は,1940年代に米国クエーカーオーツ社によって,フランバインダが酸触媒によって常温で硬化する性質が見出され,更に1950年代に米国で尿素変性フランとすることで砂同士の接着力が向上することが見出されまし […]

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