マグネシウム合金は自動車の軽量化では優れていますが,精錬で大量のCO2を排出するそうです.どんな精錬方法でどれだけCO2を排出しますか?

現在マグネシウム精錬方法としては2種類の方法が主流で,熱還元法と電解法があります.

熱還元法の原材料は主にドロマイト(MgCO3*CaCO3)Mg含有量13%が使われています.

電解法では前記ドロマイトの他にカーナライト(MgCl2*KCl*6H2O)8.8%等が使われており,前処理方法により途中で発生するCOやCO2量の違いがあります.技術の進歩により前処理や精錬で発生するCO2量は削減されていますが,熱還元法では凡そ42 ㎏CO2/㎏ Mg ingot 電解処理では21 ㎏CO2/㎏ Mg ingot程度と言われています.電解法で電力に水力発電や原子力発電を使うと更に排出するCO2量は削減されます.現在,マグネシウムの主な生産国は中国で,その主流の精錬方法は,熱還元法の一つであるピジョン法が用いられています.そのため,今後,マグネシウム精錬の一層のCO2削減技術が望まれます.

(『鋳造工学』91巻5号掲載)