黒鉛球状化率とは何物なのでしょうか? 球状黒鉛鋳鉄品のJIS G 5502に示されている測定法と評価基準の一つなのですが,物理的にどんな意味合いがあるのでしょうか?教えてください.
鋳鉄とは,片状黒鉛,CV黒鉛,球状黒鉛などの黒鉛(非金属)が鋼の中に3次元に分散している自然に出来た複合材料です.そしてどの形状の黒鉛が存在するかにより,機械的性質(引張強さ伸びなど)や物理的性質(熱伝導度,ヤング率,減衰能など)が異なります.
特に球状黒鉛鋳鉄の機械的性質(引張強さと伸びなどの規格値)は,球状の黒鉛が顕微鏡観察(100倍,腐食なし)で平均80%以上なければ得られません. したがって,黒鉛球状化率は物性値ではありませんが,引張強さと伸びを保証する重要な評価基準の一つ,必要条件なのです.黒鉛球状化率が80%以上あるこ とを前提に,球状黒鉛鋳鉄の種類(FCD400,450,500,600,700,800)が存在する事も事実です.
QQさんへ:黒鉛球状化率と伸びや引張強さをグラフ化(横軸に黒鉛球状化率,縦軸に機械的性質)してみよう.