軽量化のためにマグネシウムダイカストを使用したいと思っています。エンジンのそばの部品のカバーですが、どのようなことに注意して設計すれば良いでしょうか?
マグネシウム合金は実用金属の中で最も軽量な金属であり,鉄鋼材料やアルミニウム合金からの置き換えで,軽量化を図ることができます.しかし,機械的性質などの材料特性が異なるため,注意する必要があります.カバー類であれば,一般 […]
金属材料の疲労限度を知りたいのですが,簡単に調べる方法はありますか?
一般に疲労限度は,疲労亀裂の発生に起因すると言われており,疲労亀裂の発生は材料のすべりに対する抵抗値(降伏点)に依存することが知られております.疲労試験は多くの試験片本数と試験時間を要するため,疲労限度の簡便な推定方法 […]
ADC12合金のダイカスト品の湯口を折ると製品まで欠けこんで不良が出来てしまいます.破面が平らになっている部分が見受けられます.原因と対策は?
欠け込み不良の原因として,破面が平らになっている部位があるという事から,初期凝固片(破断チル層)や溶湯酸化膜等の噛み込みが,主因として推察されます.特に,初期凝固片(破断チル)は,スリーブ内に溶湯を給湯したときに,スリ […]
オーステンパ球状黒鉛鋳鉄は強度に優れているそうですが,大型の機械部品にあまり用いられていないのはなぜですか?
「オーステンパ球状黒鉛鋳鉄」とは,特殊な熱処理で基地組織をベイナイトにすることにより,高靱性を持たせた高級鋳鉄です.一般的に,ADI(Austempered Ductile Iron)と呼んでいます.このADIは,一般 […]
球状黒鉛鋳鉄は構造材として何℃まで使用可能でしょうか?球状黒鉛鋳鉄の温度変化に伴う強度について教えて下さい.
球状黒鉛鋳鉄の温度変化に伴う強度の変化ですが,室温以下の低温では脆化現象を引き起こす事により,引張強さ及び耐力は増加し,伸びは低下します.一方,高温側では約200℃付近までは引張強さは概ね室温と同定度の強度を示しますが […]
厚肉鋳造品では内部と外部で冷却速度が異なりますが,機械的性質にはどのような影響を及ぼしますか?
機械的性質を論ずる前に肉厚部では押し湯からの溶湯補給が不足して巣ができることが第一義的に心配です.合金によりますが,内部の凝固が表層よりも遅延するため,表層部の凝固シェルが内部へ引っ張られることがあります.表層部の凝固 […]
鋳鉄特有の鋳造欠陥にはどんなものがありますか? どのような機構で発生し,どの程度の大きさになりますか? また,発生しやすい部位を教えて下さい.
日本鋳造工学会編「鋳造欠陥とその対策」では,鋳造欠陥を発生箇所や原因により,A)寸法・形状不良,B)ひけ巣,C)ガス欠陥,D)割れ,E)介在物,F)外観不良,G)中子不良,H)鋳肌不良,I )組織不良,J)破面不良,K) […]
海外産のダイカスト合金を使用しだした頃から,流動性が低下しだし,湯周り不良が多発するようになりました.合金成分的には問題無いと思っていますが原因がわかりません.何が原因なのでしょうか?
流動性の低下には大きく分けて2つの原因があります.ひとつは,酸化物の混入です.高い温度で溶解してしまうと,空気中の水分と反応してしまい,溶湯中に酸化物が浮遊します.またこの酸化物は空気との相性もよく酸化物に空気が付着して […]
球状化率80%以上が球状黒鉛鋳鉄と規定されますが、その範囲内で機械的,物理的性質に差があるのでしょうか.
一般に同じ基地組織を有する鋳鉄において黒鉛粒の形状は,引張強さ,伸び,ヤング率等の機械的性質に影響を及ぼすといわれており,球状化率の低下と共に機械的性質も低下する傾向が見られます.鋳鉄では最大荷重近傍において,基地部の最 […]
『鋳造工学』を見て疲労について調べていたのですが,疲労試験と疲労き裂進展試験が行われていました.2つの試験の違いについて教えて下さい.
疲労とは,繰返し応力または繰返しひずみによって金属材料の性質が変化することを意味していますが,通常は1回の引張では破壊を生じない応力でも,これを繰返し負荷することにより材料にき裂が発生し,進展して破壊に至る現象を指して疲 […]