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窒素ガスによる欠陥は, 欠陥内部にデンドライトが確認されますが, なぜデンドライトが存在するのでしょうか. また, 窒素ガスによる欠陥は引けと同様の特徴を有しますが, 見分け方はありますか?

 窒素欠陥は鋳鉄溶湯に過飽和に溶け込んだ窒素が, 溶湯の温度が下がるにつれて排出されるために起る図1に示すような欠陥です. デンドライトが出る理由は, 溶湯の温度が下がり, デンドライトが成長するにつれて, 残された溶湯 […]

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非鉄
アルミニウム溶湯に不活性ガスを流すと溶解している水素ガスが補足されるそうですが,メカニズムを教えて下さい.

 不活性ガスをアルミ溶湯中に吹き込むと気泡になって上昇するが,その気泡に水素が拡散し,水素を含んだ気泡が溶湯表面に達し,水素ガスが溶湯中から除去されます.また,水分量の多いガスを使用すると,気泡中に最初から水素が存在する […]

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高真空ダイカスト製品ですがT6熱処理後ブリスター不良が10%以上あります.原因は何が大きいでしょうか?製品内部のガスは窒素と水素が50/50ほどあります.低速速度や高速速度はどのくらいがいいのでしょうか?真空引きのタイミングや理想の真空度も教えてください

 普通ダイカストは,製品内のガス量が10~50mL/100gAl程度あるといわれております.品田ら(品田他,鋳物61(1989)920)によると,製品部のガス量は30mL/100gAl程度で,その内訳は図1に示すように, […]

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非鉄
コールドチャンバー式のアルミダイカストにおいて理想の型温度は何度でしょうか?

 ダイカストで型温度に影響しそうなことは①流動性,②外引け,③鋳巣,④焼付き,⑤鋳造割れ,⑤離型剤付着温度,です.製品そのものの欠陥に関わるものは①から④,製造工程に関わるもの⑤とです.ただし,①から④までは,型温度と製 […]

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非鉄
アルミニウム合金シリンダーヘッドの熱処理(T7)の溶体化処理後に表面が黒色化します.解決の糸口が見つからず困っています.事例や解決法がありましたらお願いします

 筆者自身はAC4B-T6材で黒色化現象の経験があり,この範囲の回答でお許しください.当時の現象は,溶体化処理(電気炉500℃設定)直後で鋳肌の一部に黒色化が発生.調査の結果,①Mgおよび低融点元素の粒状複合酸化物があり […]

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近年,粒子法を鋳造分野に適用する動きがあります.粒子法のメリットは何ですか.

 まず,従来の鋳造CAEにはオイラー法が採用されています.オイラー法では計算に格子を使用しています.その格子を計算対象として,格子内部に溶湯があるかないかを判定することで溶湯の湯流れシミュレーションを行ってきました.しか […]

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生型造型において,造型プロセスごとに求められる砂性状にはどの様な違いがありますか?

 ジョルト・スクィーズ造型と流気加圧造型(静圧造型)では,生型砂をルーバーホッパで計量して金枠内に自由落下させるため,幅広い性状の生型砂での造型が可能です.部品消耗箇所の多いジョルト・スクィーズ造型機では,抜型性の維持を […]

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ハイエントロピー材料は,どのような特徴があり,どのような利用方法が考えられるのでしょうか?

 ハイエントロピー材料とは,一般に5成分以上の超多成分合金で,かつ組成比が等原子組成比に近い固溶体合金のことです.代表的な合金は,CoCrFeMnNi,HfNbTaTiZr合金などです.大きな特徴として,(1)溶解・鋳造 […]

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黒心可鍛鋳鉄は強度や靱性を大きく改善している様ですが,球状黒鉛鋳鉄と比較してメリットはどのようなものなのでしょうか?

 可鍛鋳鉄は,球状黒鉛鋳鉄が出現する前は最も強靭な鋳鉄として,パイプ継手,自動車のフレーム,歯車,建築金物,家庭用品,工具などに多用されていました.黒心可鍛鋳鉄は,フェライト基地に塊状の黒鉛が点在しており,片状黒鉛鋳鉄と […]

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鉄鋳造の遠心鋳造方式で,製品に巣穴・ひけ巣が発生するのですがどんな原因が考えられますか? 種類としては、貫通タイプや肉の中に存在する(旋盤などで表面をさらうと出てくるもの)タイプがあります.

 遠心鋳造法における鋳造欠陥として貫通タイプは「ブローホール」,肉厚中に存在するタイプは「ひけ巣」,として以下回答します.  「ブローホール」は,金型内表面や型内面に塗布された塗型の水分が,溶湯が注ぎ込まれることで気化( […]

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