ネズミ鋳鉄の共晶セルの見えやすい,見えにくいは何が影響しているのですか? 同じくセル境界の面積は,何に依存していますか? 成分は関係ありますか?
ねずみ(片状黒鉛)鋳鉄の凝固過程で生じる共晶セルは、鋳鉄が共晶凝固をするときの核生成・成長の単位となっており、接種のような不均質核生成を促進するような処理を施すと、共晶セル数は増加します。また、溶湯内にリン(P)を多く […]
鋳造時に発生する欠陥として,割れがありますが,高温割れと低温割れの違いや原因を教えてください.
高温割れや熱間割れといわれている割れは,凝固が完了する前に凝固収縮が型や鋳物自体の形状に起因して拘束されることで発生します.局所的に凝固が遅れる場合には,すでに凝固完了した部分が,最終凝固部を引張ることになるため割れや […]
球状黒鉛鋳鉄で, 引けの抑制に効くのは共晶凝固時の黒鉛晶出であり, 初晶の黒鉛は引け抑制効果が少ないのはなぜですか?
下の図1と2に示すように, ひけ巣は共晶成分で最も少なくなり, 過共晶では再び増します. 過共晶成分では, 状態図からも分かるように, 液相から直接初晶の球状黒鉛が晶出します. その後, 温度が下がるにつれ […]
アルミニウム溶湯に不活性ガスを流すと溶解している水素ガスが補足されるそうですが,そのメカニズムを教えて下さい
不活性ガスをアルミ溶湯中に吹き込むと気泡になって上昇するが,その気泡に水素が拡散し,水素を含んだ気泡が溶湯表面に達し,水素ガスが溶湯中から除去されます.また,水分量の多いガスを使用すると,気泡中に最初から水素が存在するた […]
ダイカストでは鋳造圧力と投影面積から型開き力を算出しますがなぜ製品投影面積1面分しか使用しないのでしょうか? 圧力は流動体に均等に伝播するので固定側と可動側を足した面積が必要になるのではないでしょうか? 固定側は動かない=型開き力が働かないので必要ないということでしょうか?
質問者のおっしゃる通り,可動型と固定型の両方に溶湯の力が働き,金型が開きます.可動型,固定型ともに型開き力相当の力が必要です.しかし,ダイカストマシンでは可動型にかかる力が機械的に固定型にかかるため,型締め力は片側の型 […]
鋳鉄ほどの炭素が含まれていれば,共析炭化物が大量にでると思うのですが,析出しないのはなぜですか.
ご質問の「共析炭化物」を共晶凝固後から共析変態開始直上までに生成するセメンタイト(Fe3C)と理解して説明します. 鉄―炭素状態図では,炭素(C)含有量2%を境に少ない方を鋼,多い方を鋳鉄と区別しています.さらに鋼はFe […]
窒素ガスによる欠陥は, 欠陥内部にデンドライトが確認されますが, なぜデンドライトが存在するのでしょうか. また, 窒素ガスによる欠陥は引けと同様の特徴を有しますが, 見分け方はありますか?
窒素欠陥は鋳鉄溶湯に過飽和に溶け込んだ窒素が, 溶湯の温度が下がるにつれて排出されるために起る図1に示すような欠陥です. デンドライトが出る理由は, 溶湯の温度が下がり, デンドライトが成長するにつれて, 残された溶湯 […]
アルミニウム溶湯に不活性ガスを流すと溶解している水素ガスが補足されるそうですが,メカニズムを教えて下さい.
不活性ガスをアルミ溶湯中に吹き込むと気泡になって上昇するが,その気泡に水素が拡散し,水素を含んだ気泡が溶湯表面に達し,水素ガスが溶湯中から除去されます.また,水分量の多いガスを使用すると,気泡中に最初から水素が存在する […]
高真空ダイカスト製品ですがT6熱処理後ブリスター不良が10%以上あります.原因は何が大きいでしょうか?製品内部のガスは窒素と水素が50/50ほどあります.低速速度や高速速度はどのくらいがいいのでしょうか?真空引きのタイミングや理想の真空度も教えてください
普通ダイカストは,製品内のガス量が10~50mL/100gAl程度あるといわれております.品田ら(品田他,鋳物61(1989)920)によると,製品部のガス量は30mL/100gAl程度で,その内訳は図1に示すように, […]
コールドチャンバー式のアルミダイカストにおいて理想の型温度は何度でしょうか?
ダイカストで型温度に影響しそうなことは①流動性,②外引け,③鋳巣,④焼付き,⑤鋳造割れ,⑤離型剤付着温度,です.製品そのものの欠陥に関わるものは①から④,製造工程に関わるもの⑤とです.ただし,①から④までは,型温度と製 […]