ブローホール対策の一環として冷し金の適切な清掃や使用回数の設定/管理等が必要だと思いますが,なかなか情報がありません.冷し金の適切なメンテナンスについて教えてください.
確かに,“誰も聞かない,言わない”で,教科書的情報はありませんね.まず,冷やし金によるブローホールの発生原因から考えてはいかがでしょうか?
①冷やし金部位は溶湯が急冷されるために,溶湯表面の酸化被膜と共に空気も巻き込んで凝固してしまう場合,
②脱酸が不十分で凝固表面で発生するガスが急冷で表層に取り込まれる場合,
③湿気による水分が冷やし金表面にあり,水蒸気や分解,溶解したHが凝固時にガスとして捕獲される場合
④冷やし金表面の鉄酸化物が還元滓化し酸素が溶湯に取り込まれ,凝固表面で脱炭,リミングアクションとなり,急冷凝固で表層に取り込まれる場合
等が考えられます.
①は鋳込み方案も問題,② は製錬も問題,③ は鋳型にセット後の鋳型管理の問題もあるでしょう.④ は冷やし金そのものの管理の問題となるでしょう.
これらから,まず,溶湯に接する部分のサビは除去しておくこと,(ショット,グラインダ等での手入れ)鋳型にセット後の結露を防ぐこと(鋳型の熱 風乾燥等)が挙げられます.
海外のメーカで,溶湯側表面に被膜剥離できる塗料をぬっておき, 型被せ時に除去するというところもありました.回数はこれら の要因と冷却能としての,厚み,面積,重量,形状等の許容範囲から酸化ロスによる減量等を評価して使えるだけ使うと決めれば,と思います.