黒心可鍛鋳鉄は強度や靱性を大きく改善している様ですが,球状黒鉛鋳鉄と比較してメリットはどのようなものなのでしょうか?

 可鍛鋳鉄は,球状黒鉛鋳鉄が出現する前は最も強靭な鋳鉄として,パイプ継手,自動車のフレーム,歯車,建築金物,家庭用品,工具などに多用されていました.黒心可鍛鋳鉄は,フェライト基地に塊状の黒鉛が点在しており,片状黒鉛鋳鉄と […]

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鉄鋳造の遠心鋳造方式で,製品に巣穴・ひけ巣が発生するのですがどんな原因が考えられますか? 種類としては、貫通タイプや肉の中に存在する(旋盤などで表面をさらうと出てくるもの)タイプがあります.

 遠心鋳造法における鋳造欠陥として貫通タイプは「ブローホール」,肉厚中に存在するタイプは「ひけ巣」,として以下回答します.  「ブローホール」は,金型内表面や型内面に塗布された塗型の水分が,溶湯が注ぎ込まれることで気化( […]

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非鉄
アルミニウム溶湯はどうやって脱ガスするのでしょうか.

 脱ガス方法としては,不活性ガスの吹き込みとフラックス処理があります.不活性ガスとしては,ArとN2があります.吹き込み方法はランス,ポーラスプラグ,回転脱ガス装置があります.不活性ガスの気泡に水素ガスが拡散し脱ガスされ […]

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鋳鉄(3.3%C, 2.7%Si)では,凝固収縮量が-0.9%であるのに,凝固時に体積が膨張します.その理由を教えてください.

 鋳鉄の場合,比重が7.0から7.3g/cm3の溶湯から約2.0g/cm3の黒鉛が晶出します. つまり,鋳鉄では黒鉛晶出による体積の増加があるので,基地(鉄)が凝固時に収縮しても,それを上回る程度の膨張があり,体積が膨張 […]

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非鉄
鋳造現場にたずさわっていなく,素人です.ADC12の表面外観不良改善方法について教えて下さい.内部にフクレがあることにより,次工程のショットブラストで叩かれて,表面が割れ剥離が発生します.表面がしっかり凝固していないことで発生しているように思えます.離型材を絞るなど行ってきましたが,効果がでていません.

 ショットブラスト後に発生するダイカストの「はがれ」や「めくれ」の現象と思われます.正常なダイカストの表面層は,微細なα-Alで構成される100~200μm程度のチル層と呼ばれる層が形成されますが,二重乗り(水平方向の湯 […]

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鋳造CAEを使用したシミュレーションに必要な物性値や物性値の精度はどの程度必要でしょうか.

 一例として流動・凝固シミュレーションを行うためには,対象とする金属溶湯や型の密度,比熱,熱伝導率が必要となります.また,流動・凝固シミュレーションでは,相変化を伴い金属溶湯の密度が温度によって変化するため,比熱,熱伝導 […]

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鉄に疲労亀裂が発生するとき,表面と内部で亀裂の進展に差が生じることがあるのはなぜですか?

 板材に均等な力がかかっている場合,疲労亀裂は理論的には一様に進展するに思われますが,様々な要因の影響で一様には進展しません.その要因としては,力学的要因,組織的要因,機械的要因の3つが考えられます.  まず,力学的要因 […]

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傾動式、ストッパーノズル式の注湯方法の利点・欠点または特徴を取り扱う湯種(FC/FCD)と絡めて教えてください. 例えば, Mgイオンがストッパーを浸食するため, FCDをストッパーノズル式で注湯する際は浸食されにくいストッパーを使う必要がある…等

 一般的に傾動式の注湯は, FCやFCDなどの鋳鉄で用いられることが多い. ストッパー方式は, 鋳鋼などの比較的融点の高い溶湯に対して用いられることが多い. 傾動式の注湯では, ノロが入りやすい問題や, 注湯時に溶湯が酸 […]

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自動車のマルチマテリアル化が進んでいますが,鉄系鋳造材料の利用が必須である部品はありますか.

 近年,カーボンニュートラルのための方策が検討され,自動車では,電動化とともに,軽量化が大きな課題となっています.軽量化のためには,軽量材料に材料置換をしていくということも重要な方策となり,高密度の鉄系の材料は減少してい […]

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無機中子の種類や,メリットとデメリットを教えてください.

 無機鋳型は,水ガラス系とセメント系に分類されます.これまで主に中子として使用されていた無機鋳型は,けい砂に3~4%程度のけい酸ソーダ(水ガラス)を添加,混錬し中子型へ充填後,炭酸ガスを吹き込む炭酸ガス法が主流でした.無 […]

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