鉄に疲労亀裂が発生するとき,表面と内部で亀裂の進展に差が生じることがあるのはなぜですか?

 板材に均等な力がかかっている場合,疲労亀裂は理論的には一様に進展するに思われますが,様々な要因の影響で一様には進展しません.その要因としては,力学的要因,組織的要因,機械的要因の3つが考えられます.  まず,力学的要因 […]

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傾動式、ストッパーノズル式の注湯方法の利点・欠点または特徴を取り扱う湯種(FC/FCD)と絡めて教えてください. 例えば, Mgイオンがストッパーを浸食するため, FCDをストッパーノズル式で注湯する際は浸食されにくいストッパーを使う必要がある…等

 一般的に傾動式の注湯は, FCやFCDなどの鋳鉄で用いられることが多い. ストッパー方式は, 鋳鋼などの比較的融点の高い溶湯に対して用いられることが多い. 傾動式の注湯では, ノロが入りやすい問題や, 注湯時に溶湯が酸 […]

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自動車のマルチマテリアル化が進んでいますが,鉄系鋳造材料の利用が必須である部品はありますか.

 近年,カーボンニュートラルのための方策が検討され,自動車では,電動化とともに,軽量化が大きな課題となっています.軽量化のためには,軽量材料に材料置換をしていくということも重要な方策となり,高密度の鉄系の材料は減少してい […]

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無機中子の種類や,メリットとデメリットを教えてください.

 無機鋳型は,水ガラス系とセメント系に分類されます.これまで主に中子として使用されていた無機鋳型は,けい砂に3~4%程度のけい酸ソーダ(水ガラス)を添加,混錬し中子型へ充填後,炭酸ガスを吹き込む炭酸ガス法が主流でした.無 […]

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人工砂を用いる場合天然珪砂と比較してどのようなことに注意する必要がありますか.

 人工砂の最大の利点は,耐火度の高いアルミナが含まれているため,耐焼着性に優れているということです.逆に人工砂の最大の欠点は,天然珪砂のような低温(573℃)でのα石英からβ石英への変態による熱膨張(約1.4%)が起らな […]

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JIS規格の材料記号における数字は,機械構造用炭素鋼は含有される炭素量で表示されますが,鋳鉄や鋳鋼では何故引張強さで表示されるのでしょうか.例えば,FC200を作製して,引張強さが250MPa以上あった場合は,FC250と称しても問題ないのでしょうか.

 材料のJIS規格は材質(性質)の規格と化学成分の規格に大別されます.例えば,炭素鋼では機械構造用炭素鋼(S[炭素量×100]C材)や炭素工具鋼(SK[炭素量×100]材)は前者であり,一般構造用圧延鋼(SS材)は後者で […]

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非鉄
アルミダイカストで鋳込み前に金型内に水分(H2O)が残っており、鋳込み時にそれが鋳物に内包されたとします。その場合ガス成分分析機にかけた場合、成分としてはどのように検出されるのでしょうか? ガス成分結果としては「H2,O2,N2,CO,CO2,CH4,C2H4,C2H6」が検出されますが、H2Oが分解されて他の元素と反応するのでしょうか?

工程別に発生原因を見てみます. 給湯 通常使われているチップ潤滑剤は,黒鉛入りの油性のものが多く使われており,この油性の成分が給湯の際にアルミニウム溶湯に触れ,ガス化されます.給湯口で燃える現象を確認できます.このガス化 […]

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研究室レベルでの実験において,鉄系材料を合金化する際に,どのような工夫がありますか? 溶けにくい高融点金属を効率よく溶かす工夫等を知りたいです. なお,黒鉛のように浮上しやすいものは,半紙やアルミホイールに包んで,鋳型底部にセットして溶かすと聞いたことがあります.

鉄系材料を合金化するために添加する元素はFeと比較して融点が高いものが多く,純金属のまま溶湯内に添加すると,酸化性の強い金属は表面に生成する酸化物相により溶解の進行が妨げられ,溶け残りが発生して目標組成に達しないことが起 […]

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非鉄
高真空ダイカスト製品で,T6熱処理後ブリスター不良はほとんどありませんが, 変形不良が大量に発生してしまいます.変形の原因とブリスター不良と変形不良の関係性はあるのでしょうか.

基本的にT6処理を行うことで,製品の材料中では析出相が現れ,F材と比べると微細に製品の寸法が変わります.質問としては,微細な寸法の変化ではなく,変形であるとのことで進めます.また,「T6熱処理後ブリスター不良はほとんどあ […]

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非鉄
近年,軽量化のための材料としてMg-Li合金が挙げられていますが,マグネシウムとリチウムはともに活性な元素であると聞きます.鋳造時や使用時に危険は伴わないのでしょうか.

 マグネシウムとリチウムは,酸化物の標準自由エネルギーが他の実用金属よりも著しく低く,これに主に起因して,大気中においても固相線直下の固体状態から液相の溶融状態(溶湯状態)の場合,大気中の酸素と反応して急激な酸化反応が生 […]

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