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鉄鋼は水で焼入れると硬くなりますが,アルミニウム合金は硬くなりません.なぜなのでしょうか?(質問者:まーかす)

日本刀や包丁などの素材に用いられる一部の鉄鋼では,800℃程度に加熱した後の急冷直後(水で焼入れる)に硬さが著しく増大することがあります.この現象は,マルテンサイト変態に起因し,鉄鋼の代表的な強化メカニズムとして古くから […]

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アルミ鋳物AC4Cの組織観察をしていると,この写真のようにSiが凝集したような領域が観察されることがあります.原因は何でしょうか?また,機械的強度や耐気密性に対して悪影響はあるのでしょうか? (質問者:天水鉢ウォッチャー)

 大型の砂型鋳物で,写真のようなミクロ組織が鋳肌近傍に観察されるということから考えて,逆偏析が生じているものと考えられます.Siが凝集したような組織は,共晶組織と呼ばれるものです.  砂型に注湯された溶湯は,砂型から熱を […]

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アルミニウム溶湯に不活性ガスを流すと溶解している水素ガスが補足されるそうですが,そのメカニズムを教えて下さい

不活性ガスをアルミ溶湯中に吹き込むと気泡になって上昇するが,その気泡に水素が拡散し,水素を含んだ気泡が溶湯表面に達し,水素ガスが溶湯中から除去されます.また,水分量の多いガスを使用すると,気泡中に最初から水素が存在するた […]

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ダイカストでは鋳造圧力と投影面積から型開き力を算出しますがなぜ製品投影面積1面分しか使用しないのでしょうか? 圧力は流動体に均等に伝播するので固定側と可動側を足した面積が必要になるのではないでしょうか? 固定側は動かない=型開き力が働かないので必要ないということでしょうか?

 質問者のおっしゃる通り,可動型と固定型の両方に溶湯の力が働き,金型が開きます.可動型,固定型ともに型開き力相当の力が必要です.しかし,ダイカストマシンでは可動型にかかる力が機械的に固定型にかかるため,型締め力は片側の型 […]

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アルミニウム溶湯に不活性ガスを流すと溶解している水素ガスが補足されるそうですが,メカニズムを教えて下さい.

 不活性ガスをアルミ溶湯中に吹き込むと気泡になって上昇するが,その気泡に水素が拡散し,水素を含んだ気泡が溶湯表面に達し,水素ガスが溶湯中から除去されます.また,水分量の多いガスを使用すると,気泡中に最初から水素が存在する […]

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コールドチャンバー式のアルミダイカストにおいて理想の型温度は何度でしょうか?

 ダイカストで型温度に影響しそうなことは①流動性,②外引け,③鋳巣,④焼付き,⑤鋳造割れ,⑤離型剤付着温度,です.製品そのものの欠陥に関わるものは①から④,製造工程に関わるもの⑤とです.ただし,①から④までは,型温度と製 […]

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アルミニウム合金シリンダーヘッドの熱処理(T7)の溶体化処理後に表面が黒色化します.解決の糸口が見つからず困っています.事例や解決法がありましたらお願いします

 筆者自身はAC4B-T6材で黒色化現象の経験があり,この範囲の回答でお許しください.当時の現象は,溶体化処理(電気炉500℃設定)直後で鋳肌の一部に黒色化が発生.調査の結果,①Mgおよび低融点元素の粒状複合酸化物があり […]

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アルミニウム溶湯はどうやって脱ガスするのでしょうか.

 脱ガス方法としては,不活性ガスの吹き込みとフラックス処理があります.不活性ガスとしては,ArとN2があります.吹き込み方法はランス,ポーラスプラグ,回転脱ガス装置があります.不活性ガスの気泡に水素ガスが拡散し脱ガスされ […]

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鋳造現場にたずさわっていなく,素人です.ADC12の表面外観不良改善方法について教えて下さい.内部にフクレがあることにより,次工程のショットブラストで叩かれて,表面が割れ剥離が発生します.表面がしっかり凝固していないことで発生しているように思えます.離型材を絞るなど行ってきましたが,効果がでていません.

 ショットブラスト後に発生するダイカストの「はがれ」や「めくれ」の現象と思われます.正常なダイカストの表面層は,微細なα-Alで構成される100~200μm程度のチル層と呼ばれる層が形成されますが,二重乗り(水平方向の湯 […]

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アルミダイカストで鋳込み前に金型内に水分(H2O)が残っており、鋳込み時にそれが鋳物に内包されたとします。その場合ガス成分分析機にかけた場合、成分としてはどのように検出されるのでしょうか? ガス成分結果としては「H2,O2,N2,CO,CO2,CH4,C2H4,C2H6」が検出されますが、H2Oが分解されて他の元素と反応するのでしょうか?

工程別に発生原因を見てみます. 給湯 通常使われているチップ潤滑剤は,黒鉛入りの油性のものが多く使われており,この油性の成分が給湯の際にアルミニウム溶湯に触れ,ガス化されます.給湯口で燃える現象を確認できます.このガス化 […]

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