関西支部YFEでは,昨年に引き続き高校生を対象とした鋳物教室と大学生・院生および40歳以下の正会員とYFEメンバーを対象とした工場見学会を実施しました.さらに,工科高等学校でのこしき炉実習に協力いたしました.本稿ではこれらについて報告をいたします.

関西支部YFEは,高校生を対象に鋳物の魅力を伝える活動として鋳物教室を実施しました.さらに大阪府立城東工科高等学校においてこしき炉実習があり,その協力も合わせて行いました.そして,就職活動を控える大学3年生および大学院1年生に「鋳物業界の企業」を見学することで鋳造に興味を持ってもらうため,工場見学会を実施しました.令和6年度は,「株式会社クボタ恩加島事業センター」様と「太洋マシナリー株式会社」様を見学させて頂きました.

○こしき炉実習~鋳物教室(令和6年10月4日,11月29日,12月13日)

図1 こしき炉実習の様子(右下:鋳物教室で完成した鋳造品)

 大阪府立城東工科高等学校のこしき炉実習に取り組んだ生徒14名は,自作の模型(木型)を用いて生型を造型し,こしき炉で溶解した溶湯を鋳込み,型バラシを行いました.初めての生型での造型では,木型に逆勾配があるなど困難を極めましたが,YFEメンバーを含む関西支部応援者達のサポートによって何とか形にすることができました.この模型の改善を行い,株式会社三共合金鋳造所にて実際の鋳造現場での鋳物教室に臨みました.CO2ガス型で造型した鋳型に,50kg高周波誘導炉で溶解した溶湯を生徒自らが鋳込み,実習の甲斐もあって目的の形状の鋳造品が出来上がりました.実習での指導などにご協力いただきました関西支部有志の皆様,三共合金鋳造所の皆様に御礼申し上げます.

○工場見学会(令和7年3月5日)

 工場見学会は,企業と学生が交流できる機会を設けるとともに,将来の若手技術者の確保を目指して実施してきました.令和4年度はコロナ禍ということもありオンラインでの交流会を実施しましたが,令和5年度から現地訪問での見学会が再開されました.その際に学生に限らず,40歳以下の正会員も対象とし,令和6年度の参加者は学生4名,院生6名,正会員とYFEから9名の参加がありました.株式会社クボタ恩加島事業センター様と太洋マシナリー株式会社様のご協力で,普段はなかなか見る機会のない量産鋳物ものづくりの流れや,鋳物製造に必要不可欠な鋳造設備についてご案内いただきました.両社の皆様にはお忙しい所,長時間にわたる訪問を受け入れていただき,感謝申し上げます.

図2 工場見学会参加者の集合写真

○おわりに

 今後も幅広く次世代の製造業を担う学生,技術者向けの鋳物教室や,工場見学会を開催することで,一人でも多くの学生さんにものづくりの楽しさに触れ,金属や鋳造への興味・関心を持っていただくとともに,若手技術者の研鑽となるような活動をこれからも続けていきたいと考えています.

連絡先

(公社)日本鋳造工学会 関西支部YFE
株式会社三共合金鋳造所  長谷 俊明
〒555-0001 大阪府大阪市西淀川区佃5丁目10番7号
TEL:06-6472-3571
E-Mail:t-hase(at)ksh-sankyo.com*(at)を@に変換してください.