北海道支部支部YFEでは,高校生への鋳造実習,支部講演大会での鋳造技士による現場改善事例紹介,鋳造初級講座を実施しましたのでご報告いたします.
○室蘭工業高校での鋳造実習

図1-1 鋳造の様子
2024年8月28日,室蘭工業高等学校にて鋳造実習を行いました(図1).鋳造はみなさんもご存知の通り,型を砂などに転写し,型を取り除いた空間に,鉄などの溶けた金属を流し入れる作業です.北海道ではお馴染みの市町村マークであるカントリーサインを型として,砂型を製作し,ホワイトメタルを流込み,ペーパーウェイト(文鎮)を作りました.鋳造学習を通して、様々なものづくりに興味を持ち体験して,魅力を発見することで鋳造分野への就職の決め手になればと思います.

図1-2 鋳造の様子
〇支部講演大会
2025年4月19日に北海道支部大会が開催され,学生による2件の研究成果発表,鋳造技士による自動化に伴う作業負担軽減や不良対策などの事例を2件,他1件の計5件の発表がありました(図2).鋳造技士による現場改善事例紹介を継続し,全国講演大会での発表を目指して取り組んでいます.北海道YFEおよび北海道地区の鋳造技士会と連携して,他の企画も検討しています.

図2 支部講演大会の様子
○鋳造初級講座
2025年2月15日に鋳造初級講座が開催され,20名の方が受講いたしました(図3).鋳造技士も数名が受講し,本取り組みが勉強の場として新たな知識を深めるきっかけとなり,復習の場として過去の経験を振り返り整理する助けとなり,さらに新たな視点や発見を得られる気付きの場となったと考えています.

図3-1 鋳造初級講座の様子

図3-2 鋳造初級講座の様子
〇北海道YFE向け技術セミナー(北海道支部非鉄鋳物高度化技術研究会と共同で開催)
現在,「AM技術(3Dプリンタ)の最新動向と活用事例(仮題)」と題し,大学・研究機関等のシーズと先端技術を学ぶ技術セミナーを計画しています.ご存知の通り,試作のイメージが強い3Dプリンタの活用ですが,積層技術の高度化によって,量産部品への適応が進んでいます.特に多品種少量生産が増えているものづくり業界では,航空機部品の複雑形状の一体加工や,金型部品のリードタイムの短縮など,さまざまな産業革新に貢献しています.苫小牧地区の自動車産業だけではなく,道内の幅広い方々にご参加いただけるよう準備しております.
〇おわりに
今後も「北海道地区の鋳造技士会との連携」,「技術セミナー」を開催し,その充実とYFE活動の発展に向けて,これまでの経験と成果を活かして積極的に活動して参ります.
連絡先
(公社)日本鋳造工学会 北海道支部YFE
室蘭工業大学 楠本 賢太
〒050-8585 北海道室蘭市水元町27-1
TEL:0143-46-5952
E-Mail:kusumoto(at)muroran-it.ac.jp*(at)を@に変換してください.