第98巻シリーズ「コマ・コレ~全国狛犬コレクション~」

神社や寺院にお参りに行くと,入口の両脇,あるいは本殿・本堂の正面左右などに一対で向き合う形,または守るべき社寺に背を向け参拝者と正対する形で狛犬が置かれていることが多々あります.狛犬は,石製が大半ですが,金属製のものもあります.第98巻表紙の写真では,鋳物の狛犬を集めてみました.

Vol. 98 No. 1「身体適合型自転車フレーム」

令和6年度Castings of the Year賞受賞作
兵庫県立工業技術センター
株式会社コイワイ

 

 

 

 

 

 


Vol. 98 No. 2
「新開発のオーステナイト系耐熱鋳鋼を適用した鋳物製エキゾーストマニホールド」

 

令和7年度Castings of the Year賞受賞作
株式会社プロテリアル

 

 

 

 


 

Vol. 98 No. 3「鋳物の狛犬」

 

 

 

 

 

三重県津市にある結城神社は,300本のしだれ梅が有名で,2月中旬から3月中旬にかけてしだれ梅まつりが行われます.この社殿を守るのが,北村西望作の鋳銅製の一対の狛犬で,高さ1m40cmあり,昭和12年5月御祭神六百年記念に奉納されたものだそうです.胸を張って,立派で凛々しい狛犬です.

 


Vol. 98 No. 4「豊國神社(大阪市)」

 

大阪城公園の中に豊國(ほうこく)神社があります.主祭神は,豊臣秀吉公,豊臣秀頼公,豊臣秀長卿で,京都の豊国(とよくに)神社の大阪別社として1880年に創建され,1961年に現在地に遷座したということです.この神社を守るのが青銅製の狛犬で,1990年の奉献だそうです.鋳工は大槻竹信ということです.

 

 

一般的に狛犬は,「阿吽」の一対になっており,向かって右が「阿」,左が「吽」ですが、この狛犬は左右が逆になっています.なぜこのように置かれているのかは、わからないということです.

 


Vol. 98 No. 5「三重縣護國神社(三重県津市)」

狛犬は,一般的に左右一方が口を開いた「阿」,他方が口を閉じた「吽」が一対として置かれています.三重県津市にある護國神社の青銅製の狛犬は,左右とも「阿」と口を開けています.

詳しいことはわかっていないようですが,もともと「阿」「吽」の二対の狛犬が存在していて,第二次世界大戦で物資として招集されましたが,その後,疎開先で「阿」と「阿」だけが,終戦を迎えたとのことです.

昭和32年の三重縣護國神社御造営に際し,その「阿」と「阿」の狛犬を一対として,桑名市の鍋吉鋳造所の鋳物師 伊藤軍市郎氏より奉納されました.難を除けて無事に帰ってきた狛犬をやさしく撫でて,『開運厄除』・『無病息災』を祈願してみてはいかがでしょうか.

 


Vol. 98 No. 6「愛宕神社(東京都港区)」

東京タワーの近くに愛宕山という標高25.7mの東京23区の自然の山の中では一番高い山があります.その頂上に愛宕神社があります.愛宕神社に上がる石段は,傾斜約40度,86段という急こう配で,男坂(出世の石段)と呼ばれています.1634(寛永11)年に,四国丸亀藩の家臣であった曲垣平九郎が馬で石段を駆け上がり,拝殿前に咲く梅を手折って徳川家光に献上し,称えられたという逸話から,「出世の石段」と呼ばれるようになったといいます.なお,男坂の右手には,ややこう配の緩やかな女坂があります.

その男坂の登り口に鎮座しているのが,1933(昭和8)年に鋳金家・今村久兵衛により鋳造された青銅製の一対の狛犬です.高層ビルに囲まれた一角にある静かな空間です.