中国四国支部では,1泊2日で行う「YFE鋳造技術研究会」,年に2・3回行う「いいもの研究部会」,冬頃に行う「子ども鋳物教室」,を行っています.
勉強会,交流会を通して技術力向上を目指すとともに,支部や全国講演大会での研究発表に繋げていっていただくことを念頭に活動を行っています.以下に本年度の活動内容を紹介します.
YFE鋳造技術研究会
YFE鋳造技術研究会では,若手鋳造技術者の育成・コミュニケーションを目的とした工場見学,研究会,情報交換会を行っています.特徴的なのはイブニングセミナーで,長年鋳造業界で尽力してこられた先輩方の苦労話や展望等の講演をいただいています.
今年度は,9月3日,4日にヤンマーキャステクノ㈱において行い,参加人数は37名でした.会社説明の後,巨大なケーシング等の現場を見学させていただきました.鋳型を水冷し,型バラシを早める現場では,アイデアの経緯や危険性除去など活発な質疑応答がありました.
イブニングセミナーでは,「異業種からの転職,鋳造にたずさわって25年」と題して,ヤンマーキャステクノ㈱の宮澤一也氏に,前職や鋳造業界でのコミュニケーション方法や技術を得るまでの苦労点,技術伝承に関わることなど幅広く,ユーモアたっぷりに講演いただきました.
研究発表会では, 「フラン自硬性の改善事例について」(群栄化学工業㈱ 馬場氏),「鋳鉄鋳造欠陥へのマイクロX線CT観察の試み」(㈱ツチヨシ産業 枝根氏),「鋳物ホーロー浴槽の品質評価」(大和重工㈱ 真野氏),「ねずみ鋳鉄の金属組織と摩耗の関係」(ヨシワ工業㈱ 川元氏ほか), 「球状黒鉛鋳鉄における鋳物モジュラスが黒鉛晶出量に与える影響」(ヤンマーキャステクノ㈱ 小谷氏ほか),「若手が語る鋳物の未来」(ヤンマーキャステクノ㈱ 松本氏)から現在チャレンジ中の内容も含む発表があり,多くの質疑応答・意見交換が行われました.
YFE鋳造研究会付属「いいもの研究部会」
いいもの研究部会では,技術者同士の忌憚のない意見交換・研究討論を目的として,勉強会,講演会を行っています.また近年は,全参加企業より5分程度のトピックス紹介をいただき,PR,課題相談等発表の練習の場として活用いただいています.
今年度は,8月7日にアサゴエ工業㈱において,工場見学,発表計3件,各企業トピックス紹介を行いました.参加人数は29名でした.会社説明の後,キュポラをメインに工場見学をし,検査工程の難しさや暑さ対策などの工夫についても見学させていただきました.発表では現場改善事例や方案について,トピックス紹介では新技術開発や世界的な動向などを紹介いただきました。
今年度残りの期間では,1月31日(日)に広島市交通科学館で子ども鋳物教室を,2月~3月に「いいもの研究部会」を予定しています.なお,事務簡素化のため,YFE活動の開催案内・情報発信などはメーリングリストを活用しています.参加希望の方は,当支部HPよりメーリングリストへ登録ください.また,活動内容はお気軽にお問合せください.
いいもの研究部会
連絡先
(公社)日本鋳造工学会 中国四国支部YFE 花房 龍男
〒721-0974 広島県福山市東深津町3丁目2-39 広島県立総合技術研究所東部工業技術センター
Tel:084-931-2906
E-Mail:hanafusa@toubu-kg.pref.hiroshima.jp