どうして,アルミニウムダイカストでは,ADC12が多用されるのでしょうか.
ダイカストの場合,その目的が ①大量生産 ②低価格(低コスト) を目的としております.それにより自動車,電気製品など大量消費財に多く利用されております. ①②を実現させるためには, a)大量一括生産・購入による低価格化( […]
ダイカスト用のプランジャチップ潤滑剤にある種の粉体の潤滑剤を用いるとある種の油性の離型剤を用いた場合よりもADC12アルミニウム合金ダイカストの機械的特性と信頼性が優れる,という講演が3月10日名古屋で開催された「ダイカストの高品質化」シンポジウムでありました.粉体潤滑剤とはどのようなものか,もう少し詳しく教えて下さい.
3月10日名古屋での「ダイカストの高品質化」シンポジウムにご参加頂きまして有り難うございます. 簡単に申し上げますと,粉体潤滑剤(離型剤)とは,タ ルク(滑石),グラファイト(黒鉛),金属石けん,ワックス,珪藻土,h-B […]
近年,高品質なダイカストを生産する技術として,「高真空ダイカスト」が適用されていますが,従来の「真空ダイカスト」との違いは何ですか.
従来の真空ダイカストは,キャビティ中のガスを積極的に逃がし,背圧をなくして湯流れを改善するねらいで使用されてきました.この方法では完全に空気の巻 込みを防ぐことができないため,溶体化を行うような熱処理や溶接ができず,また […]
ダイカストのエアーベントは厚いほどガス抜きの効果が高いと思いますが,どの程度まで厚くすることができるのでしょうか?
日本ダイカスト協会の『ダイカストの標準・金型編』には,「キャビティ内の空気やガスを金型外へ排出する方法としては,一般的にオーバーフローおよび 0.1~0.2mmで薄い板状のエアーベントが用いられている」と記載されています […]
HPDCにてオーバーフローを設計する際の考え方はありますか?
オーバーフロー(以下,O/F)の機能には一般的に①溶湯充填時にガスや酸化物,介在物などを含んだ溶湯を製品部に残留させないよう排出する機能と,②金 型の特定部位の温度を上昇させるためのスポットヒーター機能とがあります. ま […]
AC4C等のアルミ鋳物の組織改良剤としてSr(ストロンチウム)がよく使われていますがこれは放射性物質と聞きました.人体に影響はないのでしょうか
ストロンチウムという元素は原子番号38の元素です.陽子が38個,中性子が46~53個,質量数(陽子数+中性子数)が84~91です.4つの安定同位 体(ストロンチウム84,86,87,88)と,3つの放射性同位体(ストロン […]
弊社では,アルミニウム合金低圧鋳造法を用いて,エンジン部品を生産しています.シェル中子を使用しており,中子砂排出のため焼鈍を実施しています.焼鈍工程を廃止した場合,素材の残留応力が問題になろうかと思いますが,製品として品質上悪影響が発生するでしょうか? また,残留応力を測定する方法として最適な方法はありますか? できれば非破壊検査方法があればありがたいのですが…….
御社が何度くらいで焼鈍をされていたのかわからないので,具体的な数値を挙げることはできませんが,焼鈍工程を廃止すると,鋳造時の凝固から離型において 発生する残留応力がそのまま維持されることが考えられます. 残留応力は,部品 […]
HPDCの真空弁にはどのような種類がありますか?
ダイカストの真空弁は,金型キャビティや射出スリーブ中の空気を吸引するために設置した真空配管を遮断して高速射出される溶湯の侵入を防止するために用い ます. 弁の動作はバネ,油圧,空圧や電磁力などのアクチュエータを用います. […]
高品質ダイカストの種類の一つに層流充填ダイカストという方法がありますが,普通ダイカストとどのように違うのでしょうか?
一般ダイカスト法は寸法精度に優れた製品が成形できる反面,金型キャビティ内のガスが流動中に溶湯に巻き込まれやすく,製品の要求特性によってはこれが許 容されないレベルで製品内に鋳巣として残留している場合があります.層流ダイカ […]
T7熱処理をすると,ワレが発生しました.対策はどのようなものがありますか?
例えば,シリンダヘッドのように,形状が複雑でクエンチ時に残留応力が生じやすいものなのか,原因はものによると思います. まず,クエンチ時に残留応力が 発生すると考えて良いと思います.しかし,その時点では割れていないので,析 […]