チルと引け巣との関係を教えてください

引け巣もチル(遊離セメンタイト)も凝固完了までに発生します.チルが出ると引け巣が出やすくなります.「どうしてか?」を以下に説明します. 鋳鉄の溶湯は,溶媒が鉄で溶質が炭素の溶液です.溶液の温度が低下すると溶質の溶解度が下 […]

続きを読む
なぜ鋳鉄は鋼に比べ,錆が進行しにくいのでしょうか?

鉄は水に接すると鉄イオン(Fe2+)となります.そして,水中の水酸化イオン(OH-)と反応すると水酸 化第一鉄(Fe(OH)2)ができ,さらに酸化が進行すると水酸化第二鉄(Fe(OH)3)が出来ます.これがいわゆる赤錆と […]

続きを読む
鋳鉄の成長とはどういう現象でしょうか.何故発生するのでしょうか.

鋳鉄に加熱・冷却を繰り返すと鋳鉄寸法が少しずつ大きくなる現象を鋳鉄の成長(生長)と云います. 片状黒鉛鋳鉄の寸法変化の方が大きいですが,球状黒鉛で も起こります.鋳鉄を加熱した後に元の温度に戻しても鋳物寸法は元に戻ること […]

続きを読む
共晶時のチル(共晶セメンタイト)とパーライトを構成するセメンタイトは同じものなのですか?

同じと思って良いと思います. 図は,鉄セメンタイト系状態図を模式的に表した物です.オーステナイトが冷却されていくと,フェライトとセメンタイトの2相に変化します.この時は,すべて固体なので,炭素原子も拡散しにくい状態になっ […]

続きを読む
球状黒鉛鋳鉄のヤング率は何GPaですかと聞かれました.これはどんな時に必要で,その値も教えて下さい.

球状黒鉛鋳鉄のヤング率(縦弾性係数)は片状黒鉛鋳鉄の80〜130GPaに比べて大きい値であり,140〜170GPaの範囲にあると言われてい ます. 一般に鋼のヤング率は200〜210GPaなので,球状黒鉛鋳鉄は鋼の約70 […]

続きを読む
FC200をある一定も応力で引張り続けた場合,徐々に亀裂が進展する ことはありますか? また,繰り返し疲労は起こりますか?

まず,FC200をある一定応力で引張続けた場合ですが,応力値が引張強さの60%以下等の応力範囲ならば,そのようなことは常温では起こらない.というのが一般的了解です. 次に,繰り返し疲労は起こりますか? ということですが, […]

続きを読む
鋳鉄にはどのような種類が存在して,どのように使い分けをしているのでしょうか?(質問者:LICCA)

 鋳鉄の分類は,鋼に対する広義的な場合の鋳鉄という分類のほか,狭い意味で鋳鉄と呼ぶ場合は可鍛鋳鉄や球状黒鉛鋳鉄などに対して,単にねずみ鋳鉄(片状黒鉛鋳鉄)を指すことが多いです.表1に古い図書に載っている分類例を示します. […]

続きを読む
非鉄
どうして,アルミニウムダイカストでは,ADC12が多用されるのでしょうか.

ダイカストの場合,その目的が ①大量生産 ②低価格(低コスト) を目的としております.それにより自動車,電気製品など大量消費財に多く利用されております. ①②を実現させるためには, a)大量一括生産・購入による低価格化( […]

続きを読む
非鉄
ダイカスト用のプランジャチップ潤滑剤にある種の粉体の潤滑剤を用いるとある種の油性の離型剤を用いた場合よりもADC12アルミニウム合金ダイカストの機械的特性と信頼性が優れる,という講演が3月10日名古屋で開催された「ダイカストの高品質化」シンポジウムでありました.粉体潤滑剤とはどのようなものか,もう少し詳しく教えて下さい.

3月10日名古屋での「ダイカストの高品質化」シンポジウムにご参加頂きまして有り難うございます. 簡単に申し上げますと,粉体潤滑剤(離型剤)とは,タ ルク(滑石),グラファイト(黒鉛),金属石けん,ワックス,珪藻土,h-B […]

続きを読む
非鉄
近年,高品質なダイカストを生産する技術として,「高真空ダイカスト」が適用されていますが,従来の「真空ダイカスト」との違いは何ですか.

従来の真空ダイカストは,キャビティ中のガスを積極的に逃がし,背圧をなくして湯流れを改善するねらいで使用されてきました.この方法では完全に空気の巻 込みを防ぐことができないため,溶体化を行うような熱処理や溶接ができず,また […]

続きを読む