凝固条件や熱処理条件がわからない場合,マルテンサイトとソルバイトの組織の違いを見分けるのに,どのような点に注意を払えばいいのですか.
前号に続き,組織の違いについての質問である。マルテンサイトとソルバイトについても,金属顕微鏡を用いて400~700倍程度の倍率で観察するとよい。実際に,共析組成(0.8%C)の鋼材((株)山本科学工具研究社製)を用いて, […]
凝固条件や熱処理条件がわからない場合,上部ベイナイトと下部ベイナイトの組織の違いを見分けるのに,どのような点に注意を払えばいいのですか.
鉄鋼に関する書物を読んでいると,層状(ラメラ状),羽毛状,針状,笹の葉状,ラス状,レンズ状といった言葉が飛び交う.しかし,初学者にしてみれば,本文中に掲載されているイラストや組織写真を見ても,どの部分について説明されてい […]
鋳物のひけ巣の部分にデンドライトが観察される理由はなんでしょうか?
一部の金属(SiやBi)を除き純金属や合金は,凝固の際4~6%程度凝固収縮します.よって型鋳造では,体積収縮をまかなうだけの溶湯の補給が なければ,凝固収縮分がひけ巣となって,鋳物の内部あるいは表面に現れることになります […]
パーライトはどうしてラメラ組織になるのですか.また冷却速度や強度との関係を教えてください.
オーステナイトからフェライトとセメンタイトが同時に析出するときに,ラメラ構造をとることが多く,この組織をパーライトと呼びます.どのような形態になるかは,相の体積率と界面エネルギー,拡散時間との兼ね合いで決まります.金属 […]
3Dプリンター積層造形法に用いられるアルミニウム合金にはどのような種類がありますか.また,一般の鋳造合金と異なる点はありますか.
積層造形法では, 2次元スライスデータに基づいて金属粉末にビームが照射されます.局部溶解・瞬間凝固と粉末供給が繰り返されることで,3次元の複雑な製品が形成されます.積層造形法では1000℃/s以上の冷却速度を示すので, […]
生型砂の混練機は,マラーホイール式とアジテーター式がありますが,どのような観点から選定を行えばよいでしょうか?
生砂の混錬工程のポイントは,ライン内を循環している生砂粒子表面に活性ベントナイトを均一に引き延ばしながらコーティングすること,そして活性ベントナイトの結晶層間に水を十分浸透させ,ベントナイトの粘結力を最大限引き出すこと […]
光学顕微鏡で炭素鋼を観察すると黒と白の模様が現れます.どうしてフェライトは白く,パーライトは黒い縞なのでしょうか.
組織観察を行うためには,一般に落射照明による明視野の光学顕微鏡(金属顕微鏡)を用います.試料を鏡面研磨した状態で光学顕微鏡で観察しても金属組織は現れません.試料表面に当たる光が均一に反射されるためです.そこで組織を見る […]
アルミニウム合金を鋳造する際に,フラックス添加やアルゴンガスによる溶湯処理がよく行われていますが,どのような原理で介在物等が除去されているのでしょうか.
合金地金や返り材などの原料を溶解するとアルミニウム合金溶湯が得られ鋳物にすることができます.ただしこのまま流し込むと,アルミニウム合金成分だけではなく,地金や返り材の表面や内部にあった酸化皮膜やその他の異物も一緒に溶湯 […]
銅合金溶湯中の水素量を鋳込み前に知ることはできますか?
一般の銅合金鋳物の鋳造において,銅合金の中でも黄銅など亜鉛の多く含まれている合金では,溶解中の亜鉛の蒸発による脱ガス効果があり水素は問題になることは少ないです.また,青銅や純銅においてはフラックスやガスバブリングによる […]
接種をすれば引張強さが向上する事は事実です.しかし,接種をすれば黒鉛化が促進されて黒鉛量が増加し,密度は下がるはずですが,なぜ接種をして黒鉛化を促進した方が強度が向上するのでしょうか.
接種は,鋳込み直前の鋳鉄溶湯にフェロシリコン(Fe-Si)やカルシウムシリコン(Ca-Si)などを少量添加して凝固組織を改善し,機械的性質の向上を図る溶湯処理法の1つです.接種を施すことにより,鋳鉄の組織が改善され,チル […]