本稿では,2024年度に実施したYFE活動を振り返り,ご報告いたします.
2024年度のYFE活動は、各支部の活動を含め、様々なイベントが実施されました。ここでは、YFE大会、学生鋳物コンテスト、各支部での活動状況についてご紹介いたします。
・YFE大会
早稲田大学で開催された第183回全国講演大会にて,YFE大会を開催いたしました.プログラムは二部構成となっており,第一部では,若手技術者の方々に役立つ知識を身に付ける場を提供することを目的とし,YFE勉強会を開催しました.今回は,「鋳造CAE」をテーマとし,基礎講座「鋳造CAEの現状と課題」を大同大学の前田安郭教授に行っていただき,その後,「鋳造CAEの活用事例」と題し,株式会社コイワイの橘洋志氏から実際の鋳造現場での活用事例をご紹介いただきました.鋳造CAEの基礎的知識を得ると共に,その具体的な活用方法やポイントなどを身に付ける良い機会になりました.

図1 YFE大会でのYFE委員長(茂泉健氏)挨拶
第二部では,昨年度にYFE活動として実施された「学生のための鋳造方案勉強会」の発表会を行いました.この発表会では,参加校の12チームが,課題となった鋳物に対して,自分たちで考案した鋳造方案のコンセプトと実際の鋳造結果などを発表しました.参加校それぞれが,様々観点から方案を検討しており,鋳造経験者も感心する方案が,多数見受けられました.また,品質と生産性の観点から優秀な方案を考案した参加校は,全国講演大会で実施された総会にて表彰されました.学生の皆さんにとっては,良い学びの場になったのではないかと思います.
・学生鋳物コンテスト
前年度に引き続き,「学生鋳物コンテスト」を実施いたしました.本年度は,名前を勉強会からコンテストと変えており,鋳造を学ぶだけでなく,しっかりと優良な方案を考案することを意識してもらうことをコンセプトとしました.本コンテストには,13校の大学,高等専門学校の学生の皆さんが参加してくださいました.中には,鋳造を初めて学ぶという学校もありましたが,多数の質問をして大変意欲的に取組んでくれました.最終的には参加校による発表会を実施しました.今年も学生の皆さんのアイデアが詰まった様々な方案で鋳物が作製されておりました.本コンテストの発表会が,今年2025年5月に大同大学で開催される第185回全国講演大会内のYFE大会で実施されます.是非,学生の皆さんの発表をお聞きいただければ幸いです.

図2 前田安郭教授の基礎講座「鋳造CAEの現状と課題」(YFE大会)
・各支部の活動状況
2024年度も,各支部のYFE委員が様々な活動を行いました.支部によっては,勉強会や施設見学会,技術交流会などを実施しているところもありました.その中でも,全ての支部で実施されたのが,いもの教室でした.対象者は小中高生と様々ですが,特に小学生向けのイベントが多くありました.各支部の報告では,子供たちも鋳造に大変興味を持っており,多いところでは,数百人の参加があったようです.子供のころの体験は,ずっと記憶に残ることも多いものです.YFE委員としても,できるだけ多くの子供たちに鋳造やものづくりの楽しさを知ってもらい,鋳造の認知度向上や将来の人材育成、人材確保につなげていければと思います.
最後に,常日頃よりYFE活動にご協力いただいている皆様には深く感謝申し上げます.YFE委員一同,これからも鋳造のさらなる発展に貢献していく所存です.
連絡先
(公社)日本鋳造工学会 YFE事務局
(地独)東京都立産業技術研究センター 千葉 浩行
〒135-0064 東京都江東区青海2丁目4-10
TEL:03-5530-2570
E-Mail:chiba.hiroyuki(at)iri-tokyo.jp*(at)を@に変換してください