Vol.92No.11 中国四国支部YFEの活動の紹介

中国四国支部でのYFE活動は「工場見学会・鋳造技術研究会」(1泊2日 1回/年)と「いいもの研究部会」(1~2回/年),「こども鋳物教室」(1回/年)をおこなっています.研究会や交流会を通じて若手の技術力向上を図るとともに,全国講演大会などで発表できる人材育成に繋ることを目標に活動しています.令和2年度の活動を以下に紹介します.

〇第47回YFEいいもの研究部会(開催日:2020年7月31日)

講演件数:3件 参加者数:9名
①「焼付き欠陥試験法レビュー」 (株)ツチヨシ産業 ○枝根和也氏,黄子争氏,黒川豊氏
②「金属積層造形によるハイエントロピー合金の造形条件の探索とその機械的特性」近畿大学(院生)○池田峻史氏,近畿大学 京極秀樹氏,旗手稔氏,信木関氏
③「Mgハローの検出要領」(株)I2C技研 ○糸藤春喜氏

 今回のYFEいいもの研究部会は,コロナウイルスの影響を考慮し,Web会議形式で開催しました.今回の講演は,講習に近い内容となっています.
「焼付き欠陥試験法レビュー」では,人工砂を使用した造型プロセスで従来と異なる焼付き欠陥が発生することから,この対策の参考に従来の焼付き欠陥試験法をレビューし,鋳込み試験,鋳型内溶解法,溶湯接触法,焼結法に4分類されていました.人工砂の焼付き欠陥の基礎的判定には焼結法が良いとする内容をご発表頂きました.

 Web会議形式の講演(質疑応答)中の様子

「金属積層造形によるハイエントロピー合金の造形条件の探索とその機械的特性」ではハイエントロピー合金の概要,およびハイエントロピー合金の大学での取り組みについて,ご紹介をして頂きました.

「Mgハローの検出要領」では,黒鉛球状化に関与したと思われるMgが,元素マッピング分析で円環(ハロー)状に検出された事例をもとに,分析当時の経緯や,分析者とのやりとりの重要な点などをご講演頂きました.

 いいもの研究部会では,Web会議形式の講演・講習会は初めての試みでしたが,大きなトラブルもなく,開催することができました.多少の慣れは必要でしたが,講演後の質疑応答や意見交換,講演合間の雑談など,対面形式の講演会と遜色のない講演会であったと思います.コロナウイルスの影響により,イベントが開催し難い状況ではありますが,いいもの研究部会はWeb会議システムを利用しつつ,今後も定期的な活動を続けていこうと思います.

中国四国支部では事務簡素化のため,YFE活動の開催案内・情報発信などはメーリングリストを活用しています.参加希望の方は,当支部HPよりメーリングリストへ登録ください.また,活動内容はお気軽にお問合せください.

 

連絡先

(公社)日本鋳造工学会 中国四国支部YFE
 枝根 和也
 〒696-0403 島根県邑智郡邑南町和田1051-7
 株式会社ツチヨシ産業 邑南研究センター
 E-mail: edane.k(a)tyco.co.jp *(a)を@に変えてください.