Vol.94No.6 いまさら聞くのが恥ずかしい? YFE勉強会があります!

 今月のYFEだよりは,関西支部よりYFE勉強会の報告,そして支部通信のご案内をお届けします.今回の勉強会は「表面処理の基本」をテーマにオンラインで開催されました.

 関西支部YFEでは,自己研鑽活動をオンラインで実施しています.2021年は「YFE勉強会~いまさら聞けない表面処理の基本~」とテーマ設定し,表面処理とは何ぞや? 表面処理は何故するの? といった基本中の基本について学ぶことにしました.本稿ではこのYFE勉強会について詳しくご報告します.また,大阪府立今宮高等学校での出前授業「鋳物のお話し / 鋳造実習」及び大阪府立城東工科高等学校の「こしき炉操業実習」「イモノ教室」に補助として参加しました.これらの詳細は関西支部通信第9号に掲載されています.ご興味を持たれましたら是非関西支部事務局までお問い合わせください.

○今回のYFE勉強会の目玉は?

 表面処理は,文字通り鋳物の表面に何らかの処理を施して様々な機能を付与する技術です.最初に鋳物の大敵である「腐食」のメカニズムを解説して頂き,続いて防食や装飾性などを付与するめっき及び耐摩耗性を付与するドライコーティングに焦点を当ててご講演頂きました.

図1 講師の皆様:(左)佐谷氏,(中)長瀧氏及び(右)小畠氏

・腐食のメカニズム
 鋳物には赤さびに代表される腐食が発生し,トラブルを引き起こします.腐食によるトラブルを防ぐには,腐食が起きるメカニズムについて理解しなければなりません.本講演では,腐食が電子のやりとり,すなわち電池と同じ反応であり,結露等の水をコントロールする重要性を学びました.

・めっきの基礎
 装飾や防食など様々な機能を付与することができる技術であり,幅広く利用されています.本講演では,めっきの種類や性質,用途など基礎的な部分を学ぶことができました.クロメートとクロムめっきが違うものであり,混同してしまっていたことに気付きました.

・ドライコーティングの基礎
 表面に窒化物やDLCなどの硬質膜を形成する技術であり,耐摩耗性や摩擦特性などの向上に貢献できます.鋳造設備の摺動部に生じる摩耗の低減や,凝着・焼付きを防ぐといった生産性に関わる部分に効果があるように感じました.

〇前回からの改善点は?

 開催方法を企画当初からWEB開催と決めて実施しました.これは急な開催方法の変更をなくすためです.さらに,前回は間に合わなかった会告を出すことができました.他支部からの参加者を含めて43名にお集まりいただけました.

 最後に,お忙しいにも関わらずYFE勉強会にご協力頂きました(地独)大阪産業技術研究所の佐谷真那実 研究員(腐食),長瀧敬行 主任研究員(めっき)そして小畠淳平 主任研究員(ドライコーティング)には,この場をお借りして改めて感謝申し上げます.

図2 関西支部通信:出前授業やこしき炉操業実習,イモノ教室は最新の第9号に掲載されています

 

連絡先

(公社)日本鋳造工学会 関西支部YFE
地方独立行政法人大阪産業技術研究所  柴田 顕弘
〒594-1157 大阪府和泉市あゆみ野2丁目7番地1
TEL:0725-51-2525(総合受付)
E-Mail:ShibataA(at)orist.jp
*(at)を@に変えて送信ください.