令和5年5月19~22日の日程で,第181回全国講演大会が近畿大学東大阪キャンパスにて開催されました.関西支部YFEは,YFE大会やビデオ上映といったイベントを実施いたしました.全国講演大会記事にて既にお話ししておりますが,ここでは「YFE勉強会」と「YFE活動報告ビデオ」についてもう少し詳しくご報告いたします.
関西支部YFEは,自己研鑽活動「YFE勉強会」を毎年11月頃にWEB開催しております.さらに,鋳物教室といった若者に鋳物の魅力を伝える活動にも積極的に参加してきました.第181回全国講演大会が近畿大学東大阪キャンパスにて開催されることもあり,YFE大会内でYFE勉強会を実施することにいたしました.さらに,展示会場入口の真正面にてYFE活動報告ビデオを上映いたしました.
○YFE勉強会では何をしたの?
これまでのYFE勉強会では,比較的現場寄りのテーマ(加工の基本,表面処理の基本など)を選定しておりました.しかし,全国講演大会での実施ということもあり,「今さら聞けない○○の詳しいところ」と題してEBSD(結晶方位解析)及びXRD(X線回折)という学術寄りのテーマを選定いたしました.講師には,そもそもどういう装置? 何が分かるの? 結果の見方は? など初めて聞く人にも分かり易いようにご配慮いただきました.テーマを学術に寄せ過ぎたかと不安に思っておりましたが,会場とWEBを合わせた聴講者は52名にもなり,これまでに開催してきたYFE勉強会で最多となりました.
○活動報告ビデオの内容は?
大阪府立城東工科高等学校でのこしき炉操業をまとめた「鋳物教室 こしき炉」を上映するとともに,鋳造作品も展示いたしました.城東工科高校では,湯を直接扱う溶解・注湯を含めたほぼ全ての工程を生徒が行う大掛かりな鋳造の授業が行われております.こしき炉に携わることは滅多にない貴重な機会であるため,関西支部YFEもサポートとして参加させていただきました.また,大阪市立デザイン教育研究所にご協力いただいて記録映像として残すとともに,これを編集して活動報告ビデオに仕上げていただきました.デザイン教育研究所には上映場所の装飾(図1)も依頼し,展示会場入口で大会参加者をお出迎えいたしました.
さて,ビデオの内容ですが,築炉から仕上げまでのダイジェストになります.見所はたくさんありますが,特に湯を扱う「材料の投入・溶解」「開栓して湯を取鍋で受ける」「注湯」のシーンは是非見ていただきたかったところです.一方で,生徒が最も苦労していたように見えたのは造型です.生徒がデザインした模型を使用して生型を造型しましたが,鋳型が崩れやすく難易度の高い型込めでした.それでも生徒全員の鋳型に注湯し,取り出された鋳造作品が形になっていたときは喜びもひとしおでした(図2).
○おわりに
こしき炉に触れるという貴重な機会に恵まれ,ビデオ・鋳造作品を皆様にお見せできて嬉しく思います.こしき炉を用いた鋳造を経験した城東工科高校の生徒の皆さんが,大変だけど面白い鋳造の世界に触れ,鋳造の未来を担ってくれることを願うばかりです.
連絡先
(公社)日本鋳造工学会 関西支部YFE
地方独立行政法人大阪産業技術研究所 柴田 顕弘
〒594-1157 大阪府和泉市あゆみ野2丁目7番地1
TEL:0725-51-2525(総合受付)
E-Mail:ShibataA(at)orist.jp
*(at)を@に変えて送信ください.