部品を設計する時に直接使われない破断応力の引張強さや破断伸びの用途は何か教えてください
設計者あるいはメーカーによって鋳造部品の設計に関する考え方が違うので,これが正解ということは言えないと思いますが,一般的には下記のように考えられます. 一般に構造部品は,通常の使用において耐力以上の応力が入らないよう […]
薄肉のダイカスト品を作ろうと思います。薄肉品の湯道設計で何に注意して設計すればよろしいのでしょうか?
ダイカストの肉厚は,合金種や製品の大きさにもよりますがADC12の大物では2~6mm,小物では0.8~3mmといわれています.さらに薄肉化をすると湯じわ,湯境,未充填などの湯流れ欠陥を発生しやすくなります.これらの欠陥 […]
アルミ鋳物を作っているのですが,厚肉部で圧漏れ不良が起こっております.何か対策方法はないのでしょうか? 合金はAC4B合金です.
実際の漏れ部位の観察結果から原因を特定し,対策方法を検討することが基本なので,原因特定と合わせて説明します. 多くの場合は内部にポロシティが存在し,それが3次元的に繋がって漏れるのですから,そのポロシティの主原因がひけ […]
鉛鋳造して硬化室で硬化後,製品を使用時に触ってみると外気温が高い場合(夏場)では柔らかく,外気温が低い場合(冬場)では硬くなる傾向があります.何が一番の原因なのでしょうか.また外気温に影響せず安定した製品を鋳造するには,どこをコントロールするべきでしょうか?
鉛鋳物を硬化室入れても硬化しにくい大きな原因は硬化前の鋳物温度にあります.硬化前の鋳物保持(保管)温度が高いほど,硬化処理後の硬さは低くなります. 時効硬化を目的とした熱処理では,鋳造後の鋳物を溶質元素が固溶する適当な […]
球状黒鉛鋳鉄の共晶凝固時,黒鉛はオーステナイトに囲まれて球状に成長すると聞きました.オーステナイト(γ,固体)と黒鉛の界面で黒鉛がγから析出してより大きな球状になるのでしょうか?
鋳鉄の根幹に関わる重要な質問ですネ.球状黒鉛鋳鉄の生成と成長には賛否両論いろいろな説があります.生成に関しては,雪の結晶と同じでどんなものでも核の元にはなるのですが,最近では硫化物の核がより効果的であるとする説が多くな […]
中国からのREが入手困難になり昨年末は騒ぎが大きくなりました.今年に入り一段落ついたようですが,鋳鉄用黒鉛球状化材におけるREの役割について改めて教えて下さい.
REとは REはRARE EARTH の略.希土類 と訳されています. 希土類元素は,周期表3(A)族であるスカンジウム(Sc),イットリウム(Y)およびランタノイド15元素を合わせた17元素です.ランタノイドにはLa, […]
アルミニウム合金ダイカストの材料強度を左右する因子にはどんなものがあるのでしょうか?
アルミニウム合金ダイカストの材料強度は,鋳造欠陥の存在,凝固組織の大きさ,材料成分の影響を受けます. 特に鋳造欠陥による材料強度への影響は大きく要求品質に強度要件がある製品の製造では,鋳造欠陥をなくす工程検討が必要になり […]
黒鉛はなぜ球状,CV,片状になるのですか?
鋳鉄中に現れる黒鉛は,六方晶系の結晶構造(六角形)です.片状黒鉛は黒鉛結晶のプリズム面方向(六角形の各辺が連なる方向,a軸方向)に成長した黒鉛で,基底面方向(六角形の面,c軸方向)放射線状に積層した黒鉛が球状黒鉛(六角形 […]
接種量が多い場合,引け巣が増大するといわれていますが,どの様なメカニズムにより増大するのでしょうか?
『接種量が多いとひけ巣が増大する』とは一概に言えません.言えるのは,①FeSi系接種剤から核生成物質がSiと共に添加されるので,②黒鉛化(溶鉄に溶解している炭素は晶出して黒鉛になる)が一挙に進みます.すると鋳鉄の場合, […]
球状黒鉛鋳鉄の回転曲げ疲労試験と軸荷重疲労試験の試験結果に差がみられました.その理由について教えてください.
回転曲げ疲労試験とは,一定の曲げモーメントを作用させた丸棒を回転させ,試験片平行部の表面に繰返し応力を負荷させる疲労試験です.また,軸荷重疲労試験とは,試験部の断面上のどの点においても単軸の引張圧縮状態になる様に繰返し負 […]