球状黒鉛鋳鉄は構造材として何℃まで使用可能でしょうか?球状黒鉛鋳鉄の温度変化に伴う強度について教えて下さい.
球状黒鉛鋳鉄の温度変化に伴う強度の変化ですが,室温以下の低温では脆化現象を引き起こす事により,引張強さ及び耐力は増加し,伸びは低下します.一方,高温側では約200℃付近までは引張強さは概ね室温と同定度の強度を示しますが […]
厚肉鋳造品では内部と外部で冷却速度が異なりますが,機械的性質にはどのような影響を及ぼしますか?
機械的性質を論ずる前に肉厚部では押し湯からの溶湯補給が不足して巣ができることが第一義的に心配です.合金によりますが,内部の凝固が表層よりも遅延するため,表層部の凝固シェルが内部へ引っ張られることがあります.表層部の凝固 […]
鋳鉄特有の鋳造欠陥にはどんなものがありますか? どのような機構で発生し,どの程度の大きさになりますか? また,発生しやすい部位を教えて下さい.
日本鋳造工学会編「鋳造欠陥とその対策」では,鋳造欠陥を発生箇所や原因により,A)寸法・形状不良,B)ひけ巣,C)ガス欠陥,D)割れ,E)介在物,F)外観不良,G)中子不良,H)鋳肌不良,I )組織不良,J)破面不良,K) […]
海外産のダイカスト合金を使用しだした頃から,流動性が低下しだし,湯周り不良が多発するようになりました.合金成分的には問題無いと思っていますが原因がわかりません.何が原因なのでしょうか?
流動性の低下には大きく分けて2つの原因があります.ひとつは,酸化物の混入です.高い温度で溶解してしまうと,空気中の水分と反応してしまい,溶湯中に酸化物が浮遊します.またこの酸化物は空気との相性もよく酸化物に空気が付着して […]
球状化率80%以上が球状黒鉛鋳鉄と規定されますが、その範囲内で機械的,物理的性質に差があるのでしょうか.
一般に同じ基地組織を有する鋳鉄において黒鉛粒の形状は,引張強さ,伸び,ヤング率等の機械的性質に影響を及ぼすといわれており,球状化率の低下と共に機械的性質も低下する傾向が見られます.鋳鉄では最大荷重近傍において,基地部の最 […]
『鋳造工学』を見て疲労について調べていたのですが,疲労試験と疲労き裂進展試験が行われていました.2つの試験の違いについて教えて下さい.
疲労とは,繰返し応力または繰返しひずみによって金属材料の性質が変化することを意味していますが,通常は1回の引張では破壊を生じない応力でも,これを繰返し負荷することにより材料にき裂が発生し,進展して破壊に至る現象を指して疲 […]
部品を設計する時に直接使われない破断応力の引張強さや破断伸びの用途は何か教えてください
設計者あるいはメーカーによって鋳造部品の設計に関する考え方が違うので,これが正解ということは言えないと思いますが,一般的には下記のように考えられます. 一般に構造部品は,通常の使用において耐力以上の応力が入らないよう […]
薄肉のダイカスト品を作ろうと思います。薄肉品の湯道設計で何に注意して設計すればよろしいのでしょうか?
ダイカストの肉厚は,合金種や製品の大きさにもよりますがADC12の大物では2~6mm,小物では0.8~3mmといわれています.さらに薄肉化をすると湯じわ,湯境,未充填などの湯流れ欠陥を発生しやすくなります.これらの欠陥 […]
アルミ鋳物を作っているのですが,厚肉部で圧漏れ不良が起こっております.何か対策方法はないのでしょうか? 合金はAC4B合金です.
実際の漏れ部位の観察結果から原因を特定し,対策方法を検討することが基本なので,原因特定と合わせて説明します. 多くの場合は内部にポロシティが存在し,それが3次元的に繋がって漏れるのですから,そのポロシティの主原因がひけ […]
鉛鋳造して硬化室で硬化後,製品を使用時に触ってみると外気温が高い場合(夏場)では柔らかく,外気温が低い場合(冬場)では硬くなる傾向があります.何が一番の原因なのでしょうか.また外気温に影響せず安定した製品を鋳造するには,どこをコントロールするべきでしょうか?
鉛鋳物を硬化室入れても硬化しにくい大きな原因は硬化前の鋳物温度にあります.硬化前の鋳物保持(保管)温度が高いほど,硬化処理後の硬さは低くなります. 時効硬化を目的とした熱処理では,鋳造後の鋳物を溶質元素が固溶する適当な […]