アルミニウム合金シリンダーヘッドの熱処理(T7)の溶体化処理後に表面が黒色化します.解決の糸口が見つからず困っています.事例や解決法がありましたらお願いします
筆者自身はAC4B-T6材で黒色化現象の経験があり,この範囲の回答でお許しください.当時の現象は,溶体化処理(電気炉500℃設定)直後で鋳肌の一部に黒色化が発生.調査の結果,①Mgおよび低融点元素の粒状複合酸化物があり […]
近年,粒子法を鋳造分野に適用する動きがあります.粒子法のメリットは何ですか.
まず,従来の鋳造CAEにはオイラー法が採用されています.オイラー法では計算に格子を使用しています.その格子を計算対象として,格子内部に溶湯があるかないかを判定することで溶湯の湯流れシミュレーションを行ってきました.しか […]
生型造型において,造型プロセスごとに求められる砂性状にはどの様な違いがありますか?
ジョルト・スクィーズ造型と流気加圧造型(静圧造型)では,生型砂をルーバーホッパで計量して金枠内に自由落下させるため,幅広い性状の生型砂での造型が可能です.部品消耗箇所の多いジョルト・スクィーズ造型機では,抜型性の維持を […]
ハイエントロピー材料は,どのような特徴があり,どのような利用方法が考えられるのでしょうか?
ハイエントロピー材料とは,一般に5成分以上の超多成分合金で,かつ組成比が等原子組成比に近い固溶体合金のことです.代表的な合金は,CoCrFeMnNi,HfNbTaTiZr合金などです.大きな特徴として,(1)溶解・鋳造 […]
黒心可鍛鋳鉄は強度や靱性を大きく改善している様ですが,球状黒鉛鋳鉄と比較してメリットはどのようなものなのでしょうか?
可鍛鋳鉄は,球状黒鉛鋳鉄が出現する前は最も強靭な鋳鉄として,パイプ継手,自動車のフレーム,歯車,建築金物,家庭用品,工具などに多用されていました.黒心可鍛鋳鉄は,フェライト基地に塊状の黒鉛が点在しており,片状黒鉛鋳鉄と […]
鉄鋳造の遠心鋳造方式で,製品に巣穴・ひけ巣が発生するのですがどんな原因が考えられますか? 種類としては、貫通タイプや肉の中に存在する(旋盤などで表面をさらうと出てくるもの)タイプがあります.
遠心鋳造法における鋳造欠陥として貫通タイプは「ブローホール」,肉厚中に存在するタイプは「ひけ巣」,として以下回答します. 「ブローホール」は,金型内表面や型内面に塗布された塗型の水分が,溶湯が注ぎ込まれることで気化( […]
アルミニウム溶湯はどうやって脱ガスするのでしょうか.
脱ガス方法としては,不活性ガスの吹き込みとフラックス処理があります.不活性ガスとしては,ArとN2があります.吹き込み方法はランス,ポーラスプラグ,回転脱ガス装置があります.不活性ガスの気泡に水素ガスが拡散し脱ガスされ […]
鋳鉄(3.3%C, 2.7%Si)では,凝固収縮量が-0.9%であるのに,凝固時に体積が膨張します.その理由を教えてください.
鋳鉄の場合,比重が7.0から7.3g/cm3の溶湯から約2.0g/cm3の黒鉛が晶出します. つまり,鋳鉄では黒鉛晶出による体積の増加があるので,基地(鉄)が凝固時に収縮しても,それを上回る程度の膨張があり,体積が膨張 […]
鋳造現場にたずさわっていなく,素人です.ADC12の表面外観不良改善方法について教えて下さい.内部にフクレがあることにより,次工程のショットブラストで叩かれて,表面が割れ剥離が発生します.表面がしっかり凝固していないことで発生しているように思えます.離型材を絞るなど行ってきましたが,効果がでていません.
ショットブラスト後に発生するダイカストの「はがれ」や「めくれ」の現象と思われます.正常なダイカストの表面層は,微細なα-Alで構成される100~200μm程度のチル層と呼ばれる層が形成されますが,二重乗り(水平方向の湯 […]
鋳造CAEを使用したシミュレーションに必要な物性値や物性値の精度はどの程度必要でしょうか.
一例として流動・凝固シミュレーションを行うためには,対象とする金属溶湯や型の密度,比熱,熱伝導率が必要となります.また,流動・凝固シミュレーションでは,相変化を伴い金属溶湯の密度が温度によって変化するため,比熱,熱伝導 […]