非鉄
純銅系の鋳物では,黄銅や青銅に比べガス気泡欠陥ができやすいのは何故ですか.

 銅合金鋳物に発生するガス気泡には,水蒸気ガス気泡と水素ガス気泡の2種類があります.どちらが発生するかは,溶銅に溶け込んだ酸素量と水素量のバランスによって決まり,同じ水蒸気分圧下では酸素量と水素量は逆相関の関係にあります […]

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共通
日本,中国,インドなどの生砂の違いは何でしょうか?

生砂に求められる条件は,適切な化学組成及び物理的性質を有し,かつ砂粒は適度な粒度分布を有し,粒形は丸形に近いものです.  日本で使用されている生砂は,国産が半分弱でその他はオーストラリアやベトナムからの輸入です.国産砂の […]

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非鉄
Zn-Al合金で室温まで冷えた鋳物が後になって熱くなっていることがあります.どうしてそんなことが起こるのでしょうか?

「鋳物」を大きな意味での鋳造品と考えると表面温度上昇の原因として次のことが考えられます. 熱が溜まりやすい部分がある鋳物,例えば,厚肉部分がある,中子がある,大きな湯口や押し湯が付けられている場合には,表面が冷えても内部 […]

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ねずみ鋳鉄FC300にはSnを添加し,球状黒鉛鋳鉄FCD700にはCuを添加して製造しています.それぞれ高強度にするために,パーライト量を増やす目的なのでしょうか.逆に,ねずみ鋳鉄にCuを,球状黒鉛鋳鉄にSnをそれぞれ添加しても問題ないのでしょうか?

高強度にするためにねずみ鋳鉄または球状黒鉛鋳鉄にSnまたはCuをそれぞれ適量添加し,ほぼオールパーライトにすることが目的です.  逆にねずみ鋳鉄にCuを,球状黒鉛鋳鉄にSnを添加しても問題ありません. 生産上高強度FCに […]

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接種する事で組織が微細化され強靭になると言われるのはなぜでしょうか? 共晶セルを微細化すると結晶粒界の面積が増加するので,微細化しない方が引張強さは強いのではないでしょうか? 

強靭化の度合にもよりますが,接種の効果も強靭化の一因子です.とは言え高強度で高延性を得られるかといえば,黒鉛化促進接種剤では延性向上を期待できますが,強度は低下し,パーライト促進接種剤を使えば逆となります.ご存知のように […]

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非鉄
黄銅は金型鋳造ができるのに青銅では難しいのはなぜですか.

生産性の向上,作業環境の改善といった観点から青銅の金型鋳造は昔から望まれてきましたが,多くの問題があり,実用化は進んでいません. 青銅系の合金は黄銅系の合金と比較して凝固温度範囲が広く,粥状凝固する合金です.凝固温度範囲 […]

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Fe-C系状態図で黒鉛の晶出量を求めると数%ですが,顕微鏡組織から判定すると10~15%に見え,文献にもそう書かれています.この違いはなんですか?

Fe-C系状態図における黒鉛晶出量は,重量%で表示されています.一方,顕微鏡組織における黒鉛晶出量は体積%もしくは面積%で表示されています.よって,状態図の重量と顕微鏡組織での黒鉛体積%の間には,近似式で計算すると,式( […]

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鋳鉄材料の規格は引張強さや伸びで規定されていますが, 値を求めるときの有効数字はどこまでですか? 具体的に教えてください.

引張試験は特殊な場合(規程の試験片が採取できないなど)を除いて,基本的にはJIS Z 2241「金属材料引張試験方法」に則った方法で実施する必要があります.一般に引張試験結果は, 材料規格に規定のない場合は, 少なくとも […]

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非鉄
私の職場では無機中子を使用し低圧鋳造アルミ合金鋳物を製作していますが,原因不明の中子折れが多発しています.今一番怪しいのは中子のなりより性だと思うのですが,なりより性の測定方式などは何があるのでしょうか?

 なりより性とは,鋳型に溶湯が注入されて,凝固すると同時に収縮しますが鋳型が鋳物の収縮に応じて,ともに収縮に応じてくれる性質をいう用語で可縮性とも言います.これは非常に重要なことで,もしこの性質がないと鋳造品は肉の薄い部 […]

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非鉄
海外の高級車では,アルミボディ部品が使われているとよく聞きます.どんな工法でどんな材料が使われていますか?

オールアルミニウム合金のボディ構造を持つ乗用車を世界で初めて量産したのは,ドイツのアウディ社で,1994年に発売されたAudi A8です.このボディ構造は,アルミニウム合金の板材や押出材の部品をアルミニウム合金鋳物やダイ […]

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