北海道支部YFEでは,キュポラ実習,支部講演大会での鋳造技士による現場改善事例紹介,北海道YFE向け技術セミナーを実施しましたのでご報告いたします

〇キュポラ実習

 2023年11月17日,札幌工業高等学校にてキュポラ実習を行いました.鋳造はみなさんもご存知の通り,型を砂などに転写し,型を取り除いた空間に,鉄などの溶けた金属を流し入れる作業です.昨年に引き続き,札幌工業高等学校の鋳造実習に参加し,「キュポラ」を使い,鉄くずや蒸し焼きした石炭などを入れた後,風を送り,1500℃以上になった溶けた鉄を鋳型に流し込む実習を行いました.ダンベルやジンギスカン鍋の木型を用い,生型造形し,実際に注湯してもらいました(図1).実習後,鉄炭素系状態図を用いて,キュポラから出銑された溶湯の組成や溶解温度,金属組織などの説明を行い,高校の講義で習った内容と本実習における金属組織を総括しました.

図1 キュポラ実習の様子

図2 キュポラ実習の様子

 

 

 

 

 

 

〇支部講演大会

 2024年4月13日に北海道支部大会が開催され,学生による2件の研究成果発表,鋳造技士による自動化に伴う作業負担軽減や作業環境改善などの事例を3件,他2件の計7件の発表がありました.鋳造技士による現場改善事例紹介を継続し,全国講演大会での発表を目指して取り組んでいます.北海道YFEおよび北海道地区の鋳造技士会と連携して,他の企画も検討しています.

 

〇北海道YFE向け技術セミナー(北海道支部非鉄鋳物高度化技術研究会と共同で開催)

 2024年2月26日にZoomによるWEB配信にて技術セミナーを開催いたしました.最新のX線CTでは「高速スキャン・新素材の内部観察・高分解能」などの新たな機能を有する装置が開発されており,本セミナーでは各装置メーカのご協力のもと,CTの最新技術動向・撮影事例について紹介してもらいました.現時点では製造コスト的に航空宇宙等への適用に留まっておりますが,今後のコスト低減に従い,EVや農業機械等への展開可能性が期待でき,苫小牧地区の自動車産業だけではなく,道内の幅広い方々にご参加いただきました.

 

 

〇おわりに

 今後も「北海道地区の鋳造技士会との連携」,「技術セミナー」を開催し,その充実とYFE活動の発展に向けて,これまでの経験と成果を活かして積極的に活動して参ります.

 

 

連絡先

(公社)日本鋳造工学会 北海道支部YFE

室蘭工業大学 楠本 賢太

〒050-8585 北海道室蘭市水元町27-1

TEL:0143-46-5952

E-Mail:kusumoto(at)muroran-it.ac.jp
*(at)を@に変えて送信ください.