Vol.89 No.6 中国四国支部YFE活動の紹介

中国四国支部では,平成28年度の前半に研究会や全国公演大会に関係する事業を,後半には1泊2日で行う「YFE鋳造技術研究会」や年に2・3回行う「いいもの研究部会」を行いました.今後も,支部講演会での発表や全国大会での発表などにつなげていけるよう活動を行っていきます.

平成28年度 YFE鋳造技術研究会

YFE鋳造技術研究会では,若手鋳造技術者の育成・コミュニケーションを目的とした工場見学,研究会,情報交換会を行っています.

平成28年度は12月3日,4日に広島アルミニウム工業㈱殿において開催し,新郷工場,千代田工場を見学させていただきました.仕上げ工程や加工工程におけるロボットや画像処理を用いた自動化では,参加者から多くの質問がありました.また,長年鋳造業界で尽力してこられた先輩方から今後の展望などの講演をいただく,本研究会で特徴的なイブニングセミナーでは,広島アルミニウム工業㈱技術開発室の河上昌弘氏から「ダイキャストの付加価値向上を目指して」と題して講演をいただきました。研究開発事例を基に,シミュレーションの高度化,研究開発での苦労話,人材育成など幅広くご講演いただきました.研究発表会では, 「アルミナ系球状人工砂からなるRCSの繰り返し再生におけるカルシウムの蓄積と影響」(山川産業㈱ 小楠氏ほか),「凝固制御した厚肉供試材の強度」(㈱大田鋳造所 芥子田氏),「X線CT装置によるアルミダイキャスト製品の内部品質評価への取り組み」(広島アルミニウム工業㈱ 胡氏ほか),「3次元積層造形法により作製したSUS316Lの諸特性評価」(山口県産業技術センター 福田氏ほか), 「人工砂鋳型適用厚肉FCDの外引け対策事例」(㈱宇部スチール 宮本氏ほか)の発表をいただきました.各テーマとも今後の鋳造品の高度化のために必要な技術であり,多くの質疑応答・意見交換が行われました(右写真はイブニングセミナーの様子).

中国四国支部「いいもの研究部会」

技術者同士の忌憚のない意見交換・研究討論を行う「いいもの研究部会」を平成29年3月17日に開催しました.「球状化黒鉛鋳鉄の金型鋳造」(㈱ツチヨシ産業 枝根氏),「生型砂におけるベントナイトと水分が砂噛み不良に及ぼす影響」(山川産業㈱ 三木氏ほか),「自硬性砂型の強度ばらつきに関する研究」(㈱神戸製鋼所 堤氏ほか),「大物厚肉球状黒鉛鋳鉄の黒鉛粒数増加に及ぼす2次接種剤の影響」(大和重工㈱ 藤川氏),「異業種紹介:溶射法による表面処理方法~水素混合ガス溶射皮膜の特性~」(広島県立総合技術研究所 花房氏ほか)の講演を,また参加企業からも5分程度のトピックス紹介をいただきました.鋳造欠陥防止やさらなる高付加価値化につながる講演,トピックス紹介で,活発な質疑応答がありました.

平成29年度支部奨励賞

中国四国支部では活躍が期待される若手の鋳造技術者に支部奨励賞を授与しています.平成29年4月24日に支部の総会を開催し,平成29年度はマツダ㈱ 平野正士氏(写真左)と東洋電化工業㈱ 辻寛明氏(写真右)が受賞されました.合わせて受賞記念講演をいただき,活発な質疑応答がありました.

 

 

 

 

平成29年度は,2回程度の「いいもの研究部会」,1泊2日のYFE鋳造技術研究会や子ども鋳物教室を行う予定です.ご興味ありましたら,お気軽に下記花房までお問合せ下さい.

問い合わせ

(公社)日本鋳造工学会 中国四国支部YFE
花房 龍男
〒721-0974 広島県福山市東深津町3丁目2-39
広島県立総合技術研究所東部工業技術センター 
Tel:084-931-2906
E-Mail:hanafusa(at)toubu-kg.pref.hiroshima.jp