東北支部のYFE活動は『東北支部YFE大会』という大会をメインに活動しています.ここ2~3年はWEBでの開催が主となっていますがそろそろ面着で実施したいところです.若手技術者育成として『日本鋳造工学会東北支部夏期鋳造講座』での講演や,『子ども鋳物教室』を実施しています.以下に8月に行った子ども鋳物教室の模様を紹介します.
 
○東北支部YFE子ども鋳物教室

開催日:2023年8月8日(火)
開催地:岩手県工業技術センター
参加者:盛岡市立高校 美術部の皆様
内容:①9:00~9:30  座学「鋳造の基礎講座」
   ②9:30~11:15  発泡スチロールを原型としたフルモールド法によるアルミニウム合金手作り鋳物体験 
   ③11:15~12:00施設見学

図1.座学「鋳造の基礎講座」

座学では岩手県工業技術センターの岩清水様による『鋳造の基礎』のお話がありました.題名から想像するような難しくて真面目なお話かと思いきや,とても面白く分かりやすい内容で全員が興味深く聞き入っていました.
鉄,銅,貴金属,アルミニウム,マグネシウム,亜鉛などそれぞれの金属が日常でどのように使われているか,鋳物とはどのようなプロセスなのかお話いただきました.
貴金属のご説明の際は,指輪の写真が映し出され,『金属は時に人の気持ちを伝えます』とおっしゃっていたのがとてもおしゃれなフレーズで心に残っています.

図2.造型の様子 

おまちかねの鋳物体験は,発泡スチロールを原型としたアルミニウム合金による鋳物づくりです.
最初にどのようなデザインの鋳物を作りたいか考えることから始め,発泡スチロールに油性ペンで下書きを描いていきます.その後に発泡スチロールを切り出して削るという難所があるのですが,生徒さんたちはとても上手に削り出して,可愛らしい動物たちや地形などを表現していました.これを原型として湯道を付けていきます.
造型の工程も講師の先生方にコツを聞きながら生徒さんが各自で進めていきました.作成した原型を生砂で包み,形状の周りを丁寧に押し固めて造型しました.


図3.注湯

溶湯の材質はアルミニウム合金を使用しました.生徒さんたちも溶けた金属に興味津々の様子でした.「鋳物は絶対成功するとは限らないから,失敗したら・・ごめんね」と毎回言いながら注湯する岩清水様を全員が笑顔で見守っていました.
成功するか失敗するかは型バラシをするまで分かりません.ドキドキしながらバラシをしていきましたが,今回は成功率100%だったようです.出来上がった作品は高校の文化祭で展示していただきました.
また,この鋳物制作の光景は2023年に開催されました第182回鋳造工学会全国大会福島大会の際にもYFEブースにて展示させていただきました.

 

今回は子ども鋳物教室のご紹介でした.東北支部ではこのように和気藹々と活動しております.興味がある方は今後是非ご参加ください.

 

連絡先
(公社)日本鋳造工学会 東北支部YFE
福島製鋼株式会社 佐々木好美
〒960-8661 福島県福島市笹木野字天竺田8番地1 
TEL:024-534-0170
E-Mail:yoshimi.sasaki(at)f-seiko.co.jp
*(at)を@に変えて送信ください.